COCOブログ

2024.09.25更新

インビザラインのクリンチェック

クリンチェックとは、インビザライン治療の治療計画を立てるために必要な、アラインテクノロジー社が独自に開発した3Dシミュレーションソフトです。このプログラムを使うことで、歯がどのように動いて最終的に理想の歯並びになるのかを事前に可視化することができます。これにより、治療の進行を詳細に把握でき、患者と歯科医師の間で明確な治療イメージを共有することが可能です。

クリンチェックの役割
インビザライン治療では、治療を始める前に、**光学スキャン装置(iTero)**でお口の中をスキャンし、歯型データを取得します。このデータを元に、AIによるシミュレーションで歯の動きが計画され、その結果を基に歯科医師がさらに修正を加えて最終的な治療計画を決定します。このシミュレーションでは、歯並びが整っていく過程を3D画像で確認することができ、患者自身も治療の進行をイメージしやすくなります。

クリンチェックのすごい点
複数の治療計画を立てられる クリンチェックでは、例えば抜歯あり・なしの治療計画をシミュレーションし、それぞれの歯の動きを比較できます。これにより、患者にとってより理想的で無理のない治療計画を立てることができます。

アタッチメントやIPR(ディスキング)を計画 クリンチェックでは、どの歯にどのようなアタッチメントを装着するか、歯科医師が自由に決定できます。さらに、歯を動かすためのスペースを作るためのIPR(歯の両端を僅かに削る処置)のタイミングや削る量もAIが自動的に決めてくれます。

患者も治療進行を確認できる クリンチェックを使うことで、患者は治療前だけでなく、治療中も歯の動きや進行具合を3D画面で確認できます。これにより、治療全体の動きを理解しやすくなり、不安を軽減する効果もあります。

治療中にもクリンチェックは使う?
はい、治療中にもクリンチェックは活用されます。治療の進行具合や歯の動きが計画通りかどうかを確認するため、常にクリンチェックのシミュレーションに基づいて進捗を管理します。

アライナーの進行具合:何枚目のアライナーであるか、その時点での歯の位置や状態を3Dで確認できます。
計画通り動いているかの確認:装着時間が不足していたり、計画通りに歯が動かない場合、クリンチェックを確認して原因を分析し、必要に応じて治療計画を修正します。
クリンチェックを使った治療計画の修正
まれに、アライナーをしっかり装着していても歯が計画通りに動かないことがあります。その場合、クリンチェックを使用して原因を特定し、新しい治療計画を立てます。このプロセスにより、追加のアライナーを作製し、引き続き治療を進めることができます。

まとめ
クリンチェックは、インビザライン治療において治療の成功を左右する重要なプログラムです。3Dシミュレーションにより、治療計画の立案から進行状況の確認、必要に応じた修正までをサポートし、患者と歯科医師の間で明確なコミュニケーションを実現します。このシステムによって、より精度の高い治療が可能となり、患者の満足度向上にもつながっています。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.09.12更新

インビザラインのアタッチメント

インビザラインのアタッチメントは、歯に取り付ける小さな突起物で、矯正治療において歯を効果的に動かすための重要な役割を果たしています。このアタッチメントを利用することで、複雑な歯列や抜歯を伴う矯正も可能になりました。

インビザライン自体は痛い?痛くない?
インビザラインを使用する際、矯正治療による痛みは少なからず発生します。歯が新しいスペースに動く際に圧力がかかり、痛みが伴います。マウスピース矯正のメリットとして、ワイヤー矯正に比べて口の内側や唇に傷ができにくく、口内炎などの痛みが少ないことが挙げられますが、マウスピース交換直後は、歯の移動による締め付け感やうずくような痛みを感じる方が多いです。

特に、アタッチメントやゴムかけを使用するケースでは、さらに歯に力が加わり、痛みを感じやすくなります。

アタッチメントの役割
インビザラインでは、3Dソフトで治療計画を立てた結果に基づいて歯を動かしますが、アタッチメントが装着されることで、歯に正確な力をかけることができます。アタッチメントにはさまざまな形状や大きさがあり、歯の移動方向や治療内容によって異なります。

アタッチメントには主に2種類あります

最適アタッチメント:3Dシミュレーションに基づいて自動的に追加される。
通常アタッチメント:矯正医が判断して追加する。
これらを組み合わせることで、より効果的な歯の動きが実現します。

アタッチメントの種類
アタッチメントにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる動きをサポートします:

・オープンバイト用
・ディープバイト用
・ルートコントロール用
・回転用
・アンカレッジ用
特に、アンカレッジ用アタッチメントが進化したことで、インビザラインを用いた抜歯矯正も一般的に行われるようになりました。

アタッチメントは痛いのか?
結論として、アタッチメント自体が痛いというより、歯が動くために発生する痛みがあります。これはアタッチメントのためだけでなく、インビザラインによる矯正治療全般に言えることです。歯に力がかかり、動き始めると多少の痛みが伴うことがあります。

また、アタッチメントが引っかかることで、マウスピースを外す際に痛みを感じることもありますが、これは慣れてくると少なくなります。外す際には、奥歯から前歯にかけてゆっくりと外すと痛みを和らげることができます。

まとめ
インビザラインのアタッチメントは、歯を効率的に動かすための重要な装置であり、歯の動きに伴う痛みが発生することはあります。しかし、ワイヤー矯正と比較すると、口内炎などのリスクが少なく、マウスピース矯正は快適な治療が期待できます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.08.30更新

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正は、ワイヤーを使用せずにマウスピースを装着して歯並びを矯正する治療法です。当院では、インビザラインというマウスピース矯正のシステムを採用しており、これは1999年にアメリカのアライン・テクノロジー社によって提供され始めました。インビザラインは、現在世界100カ国以上で展開され、2022年6月時点で1200万人以上の患者がこの治療を受けています。

マウスピース矯正の特徴
1. マウスピースを使用する
マウスピース矯正は、その名の通り、透明なマウスピースを使用して少しずつ歯を動かします。ワイヤー矯正では、決められたワイヤーによって歯が整いますが、マウスピース矯正では、形状が徐々に変わるマウスピースを交換することで、最終的なゴールに向けて歯を整えます。

2. 定期的にマウスピースを交換
マウスピース矯正では、患者様ご自身が1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。1枚のマウスピースで歯が移動する量は約0.25mmで、少しずつ歯を動かしていきます。このため、ワイヤー矯正に比べると痛みが少ないことが特徴です。

3. 1日20〜22時間の装着が必要
マウスピースは、1日20時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと歯の動きが遅くなるため、効果が出にくくなります。

4. 取り外しが可能
マウスピース矯正は取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外せるため、ワイヤー矯正よりも快適に治療を受けることができます。

マウスピース矯正のデメリット
1. 装着時間を守る必要がある
マウスピース矯正は取り外し可能というメリットがありますが、患者様自身で取り外せるため、装着時間を守らないと効果が得られません。装着時間を守り、歯科医師の指示に従うことが重要です。

2. 稀にアレルギーのリスクがある
マウスピースの材料にアレルギー反応を示す場合がありますが、非常に稀です。金属アレルギーよりはるかに低い確率です。

3. 苦手な動きがある
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて動かしにくい歯の動きがあります。このため、場合によってはワイヤー矯正と併用する必要があることもあります。

まとめ
インビザラインを用いたマウスピース矯正は、取り外しが可能で痛みが少なく、快適な治療を提供しますが、装着時間を守ることが重要です。ワイヤー矯正に比べて難しい歯の動きがあることもありますので、個別のケースに応じて治療方法を選ぶことが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.08.20更新

インプラントと矯正治療

結論から言うと、インプラントを入れた後でも矯正治療を行うことは基本的に可能です。実際、インプラントを入れた後に、自分の口元に関心を持ち矯正治療を始める方も多くいらっしゃいます。

矯正治療の主な方法は以下の2つです

ブラケット矯正(ワイヤー矯正):ワイヤーを通したブラケットを歯に装着し、少しずつ歯を動かして歯並びを整えます。
マウスピース矯正:個人に合わせたマウスピースを使い、治療段階ごとに交換しながら歯を動かしていきます。
しかし、インプラントが原因で矯正治療が難しくなる場合もあります。以下に、矯正治療ができなくなる3つのパターンを解説します。

矯正治療ができない場合
1. 動かしたい歯の導線にインプラントが絡む場合
インプラントは、歯根膜がなく一度埋入すると動かすことができません。そのため、矯正治療で動かしたい歯の導線にインプラントがあると、歯を動かせなくなり、治療が難しくなります。動かしたい歯がインプラントに阻害される場合は、矯正治療ができない可能性があります。

2. インプラントの本数が多い場合
インプラントの本数が多いと、歯を動かす際の可動域が狭くなり、理想的な歯の移動が難しくなります。ただし、インプラントが複数あっても、動かしたい歯の導線に絡まなければ矯正治療ができることもあります。具体的な判断は、検査をしてみないと分からないため、歯科医院での相談が必要です。

3. インプラントと矯正治療を同時に行いたい場合
インプラントと矯正治療を同時に行うことは難しいです。インプラントを埋め込んだ後は、数か月間、インプラントが骨と結合するまで負荷をかけないようにしなければなりません。この期間中に矯正器具を装着すると、インプラントや矯正治療に悪影響を与える可能性があるため、矯正治療はインプラント治療後に行うのが安全です。

インプラントが矯正治療に役立つ場合もある?
インプラントは動かないため、矯正治療の固定支点として役立つこともあります。特定の歯を動かしたい場合、インプラントを固定点として利用し、他の歯を動かすことが可能です。このように、インプラントがあることで矯正治療が進めやすくなるケースもあるため、まずは歯科医に相談することをおすすめします。

まとめ
インプラントを入れた後でも矯正治療は可能ですが、いくつかの制約がある場合もあります。インプラントの本数や位置、矯正の目的によって治療計画が変わりますので、専門の歯科医院で相談し、適切な治療方法を選びましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.08.08更新

永久歯が足りない・生えてこない時の矯正治療

子どもの永久歯が足りなかったり、埋まったまま生えてこない場合、見た目だけでは気付きにくいことが多いですが、レントゲン撮影を行うことで、欠損部位や埋伏部位を確認できます。虫歯治療などで歯科医院を訪れた際に発見されることがよくあります。最近では先天性欠損歯(永久歯が足りない)の症例が増えており、「うちの子だけ?」と心配する必要はありません。

先天性欠損歯とは?
先天性欠損歯とは、生まれつき永久歯の本数が足りない状態を指します。通常、永久歯は親知らずを除いて28本ですが、胎児の時期に歯胚(歯のもと)が形成されないことが原因と考えられています。また、現代の子どもは顎が小さく、歯が入りきらずに歯並びがでこぼこになるため、進化の一環として歯の本数が減っているとも言われています。

治療法
歯がない部分の隙間が問題になる場合、矯正治療や他の歯科治療で改善します。多くのケースでは、矯正装置を使って隙間を閉じ、正常な噛み合わせを作っていきます。ただし、欠損歯の数や噛み合わせの状態に応じて治療法は異なるため、専門医の診断が必要です。また、欠損歯が6本以上の場合には矯正治療が保険適用となります。

埋伏歯とは?
埋伏歯とは、歯の一部または全てが歯ぐきや歯槽骨の中に埋まっている状態で、自然に生えてこないことを指します。これは、歯が生えるスペースが足りない場合や、外傷による影響などで発生します。よく見られる埋伏歯には犬歯(糸切り歯)、過剰歯(余分な歯)、親知らずがあります。

埋伏歯の治療
埋伏歯が自然に生えてくることは難しいため、基本的には治療が必要です。子どもの場合は、経過観察を行い、生えてこない場合は外科的処置を伴う矯正治療を行います。まず歯ぐきに小さな窓を開け、矯正装置を使用して少しずつ歯を引っ張り出します。この際、口腔外科と連携して治療を進めることがあります。

すぐに治療が必要な場合
永久歯の先天性欠損や埋伏歯が見つかっても、すぐに治療が必要になることは多くありません。症状に合わせて、適切な治療のタイミングが提案されます。ただし、埋伏歯が他の歯に悪影響を及ぼしている場合など、早期治療が必要なケースもあります。

早期治療が必要なケース
埋伏歯が他の永久歯の根に影響を与えている場合
その他、他の歯に悪影響が出ている場合
子どもの永久歯が生えてこない、または乳歯が長く残っている場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.07.31更新

市販のマウスピースで部分矯正はできる?

インターネットやドラッグストアで購入できる市販のマウスピースは、手軽に入手でき、価格も3000円前後と非常に安価です。一方で、一般的な歯科矯正治療は80万〜100万円と高額であるため、安価な市販のマウスピースに魅力を感じる人も多いでしょう。市販のマウスピースは歯型を取る必要がなく、購入後すぐに使用できるという手軽さがメリットです。

市販のマウスピースに効果はあるのか?
市販のマウスピースが必ずしも歯並びを改善するわけではありません。市販のマウスピースは、歯型を取っていないため、個々の口腔内に合っていないことが多く、使用すると歯が痛くなったり、かみ合わせが悪くなったりするリスクがあります。本来、市販のマウスピースは、いびきや舌の沈下を防止するためや、くいしばりや歯ぎしりによる歯の摩耗を防ぐために使用されるものです。

さらに、市販のマウスピースは柔らかすぎて変形しやすいため、歯に適切な力をかけ続けることができません。そのため、歯列や出っ歯の改善には期待できません。

出っ歯には歯科医院のマウスピースが良い理由
専門的な検査が受けられる

歯科医院でのマウスピース矯正では、事前にレントゲン撮影、歯型採取、口腔内写真、むし歯・歯周病の検査を行います。これにより、個別の状態に合わせた治療が可能で、必要に応じてむし歯や歯周病の治療を優先させることができます。

ゴールを見据えた治療計画が立てられる

矯正治療では、事前の検査結果をもとに歯の移動をシミュレーションし、計画を立てます。このシミュレーションにより、治療後の状態をイメージしやすく、抜歯の必要性も確認できます。

カスタマイズされたマウスピースで適切に歯を誘導できる

歯科医院で作製されるマウスピースは、個別に型採りされたオーダーメイド品です。ぴったりと合うため、隙間がなく、むし歯や歯周病のリスクを軽減しながら、歯列改善が可能です。

治療中のフォローが受けられる

歯科医院でのマウスピース矯正では、定期的なチェックが行われ、治療中のトラブルにも対応できます。一方、市販のマウスピースは自己判断での使用になるため、問題に気づかず、対応が遅れるリスクがあります。

アタッチメントを使って確実に歯を移動できる

歯科医院でのマウスピース矯正では、アタッチメントを使用します。アタッチメントは歯に矯正力を効果的にかけるために装着され、確実に歯を移動させることができます。市販のマウスピースにはこの機能がないため、歯並びの改善は難しいです。

市販のマウスピースは手軽さと安価さが魅力ですが、確実な歯列改善を目指すには、歯科医院での治療が必要です。

 

 

 

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.07.24更新

インビザライン矯正後に欠かせない保定装置「ビベラリテーナー」

インビザラインによる矯正治療は、歯が理想的な位置に移動した段階で治療が終了するわけではありません。矯正治療後は必ず「後戻り」のリスクがあり、そのために保定が必要です。インビザラインには専用の保定装置「ビベラリテーナー」が用意されています。

矯正治療後の歯の後戻りとは
後戻りとは、インビザラインでの矯正治療が終了した後に、歯が治療前の不正な咬合状態に戻ることを指します。後戻りの要因として、以下のものが挙げられます。

軟組織
口腔周囲筋の力のバランスによって歯の位置や歯列が維持されています。矯正治療による歯の移動は、このバランスを変えるため、後戻りが起こることがあります。

咬合
矯正治療によって適切な咬合関係が得られない場合、咬合力が不正な位置へ歯を移動させることがあります。

顎顔面と咬合の成長
矯正治療後に顎顔面が成長すると、歯列が成長に合わせて変化し、歯並びが乱れることがあります。

支持組織
矯正治療によって動いた歯は、歯槽骨、歯根膜、歯肉繊維などの支持組織が変化します。これらの組織が新しい位置で安定するには時間がかかり、固定が不十分なうちに矯正力が解除されると、元の位置に戻ろうとする力が働きます。

保定とは
保定とは、矯正治療で移動した歯をその位置に保持し、安定化させることです。矯正治療が終了しても、後戻りの可能性があるため、保定装置(リテーナー)を使用して歯を安定させる必要があります。インビザラインには専用のビベラリテーナーがあり、装着してもほとんど痛みを感じません。

治療終了後の最初の1年間は後戻りが起こりやすいため、セルフケアや食事の時以外はリテーナーを装着することが推奨されます。支持組織や咬合関係が固定された後は、徐々に装着時間を減らしていきます。リテーナーは薄く、破損しやすいため、破損した場合は再作製が必要になることがあります。

ビベラリテーナーとは
ビベラリテーナーは、インビザライン専用のリテーナーで、治療後の歯列に合わせて印象を取って作製する方法と、インビザラインのクリンチェックデータから作製する方法があります。透明なマウスピースタイプで目立ちにくく、取り外しが可能です。装着する際には、左右均等に優しく力をかけて手指で装着します。

ビベラリテーナーは3か月ごとに新しいものに交換し、1回に3セットが提供されます。価格は医院によって異なりますが、3セットで数万円が相場です。他の保定装置と併用可能で、ホームホワイトニングや歯ぎしり防止、フッ素塗布用のトレーとしても使用できます。

ビベラリテーナーと他のリテーナーとの違い
舌側線のワイヤー固定は保定効果が高いものの、大臼歯の保定が不完全で後戻りの可能性があります。また、デンタルフロスの通しにくさがデメリットです。ビベラリテーナーは大臼歯まで保定でき、清掃性が良く、破損が目で確認しやすい点も優れています。ただし、装着しないと保定効果が発揮されないため、効果は患者自身の管理に委ねられます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.07.17更新

インビザラインで歯が動く仕組み

インビザラインによる歯の移動の仕組みは、従来のワイヤー矯正と基本的な原理は同じですが、力のかけ方に違いがあります。インビザラインでは、まず口腔内の歯列データを専用ソフトで解析し、理想的な歯列をゴールとして設定します。現状の歯列から理想の歯列に向かって、数個から数十個のマウスピースを製作し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。それぞれのマウスピースは現状よりも少し理想に近い形状をしており、その形状の差によって歯に力がかかります。

インビザラインには、特殊な強化プラスチック「SmartTrack素材」が使用されており、持続的に弱い力をかけることで歯をゆっくりと移動させることが可能です。また、歯の形状やアタッチメントとマウスピースの密着性が高いため、歯の移動量を細かく調整でき、従来のワイヤー矯正で見られた歯根吸収のリスクがほとんどありません。

インビザラインの補助装置で歯が動く仕組み
インビザライン治療では、歯を効率的に動かすために補助装置を使用することがあります。

アタッチメント

アタッチメントとは、治療中に歯面に付与される歯と同色の小さな突起物です。コンポジットレジン製で、歯の軸や角度を調整し、理想的な歯列への移動をサポートします。アタッチメントはテンプレートという無色透明な装置を使用して歯面に付与されます。このアタッチメントの形状とマウスピース内面の対応部分の形が微妙に異なるため、矯正力がかかります。

顎間ゴム

治療中に補助的な力をかけるために、上顎と下顎の歯にゴムをかけることがあります。これにより、出っ歯や受け口、左右の横ずれを改善します。ゴムの弾性力を利用して歯を目的の位置に移動させ、しっかりとした咬合を確立します。

Ⅱ級ゴム: 上顎前突(出っ歯)の症例で使用。上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎を後方へ、下顎を前方へ引っ張ります。
Ⅲ級ゴム: 反対咬合(受け口)の症例で使用。下顎の犬歯と上顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎を前方へ、下顎を後方へ引っ張ります。
クロスゴム: クロスバイトやシザーズバイトなどの左右にずれている歯列の症例で使用。上顎と下顎の同じ歯の頬側や舌側、口蓋側にゴムをかけて矯正力をかけます。
垂直ゴム: 開咬の症例で使用。上顎と下顎の同じ歯の頬側にゴムをかけ、上下の歯を垂直方向に引っ張ることで矯正力をかけます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.06.27更新

知覚過敏を引き起こす原因

知覚過敏を引き起こす要素

歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、知覚過敏を引き起こす主要な要因です。この癖が続くと、歯に強い力がかかり、エナメル質に大きな負担がかかることで、エナメル質に傷や亀裂が生じることがあります。また、歯に不適切な力がかかることで象牙質が露出し、「くさび状欠損」を引き起こすことがあります。くさび状欠損は、主に犬歯の唇側面や小臼歯の頬側面に見られ、歯ぎしりや食いしばり、強いブラッシングが原因です。象牙質が露出すると、外部からの刺激が神経に伝わり、痛みを感じるようになります。歯ぎしりや食いしばりは無意識に行われることが多いため、自分で気づきにくいかもしれません。以下の症状がある方は、知らず知らずのうちに歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。

・被せ物や詰め物が取れやすい
・頬の内側に白い線がある
・歯が割れたことがある
・朝起きたときに顎がだるく感じる
・歯周病が治りにくい
・肩こりや頭痛がある

歯茎の退縮
健康な歯茎は象牙質を覆い、外部からの刺激から守っています。歯茎の退縮の原因として、歯ぎしり・食いしばりの他に以下の要因が考えられます。

歯周病
歯茎が退縮する主な原因は歯周病です。歯周病は細菌感染が原因で歯茎に炎症が起きる疾患で、時間をかけて進行するため「サイレントキラー」と呼ばれます。歯周病になると、歯茎が赤く腫れ、出血や口臭の症状が現れます。進行すると歯茎が退縮し、歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜けることもあります。

不適切なブラッシング
毎日の歯磨きは非常に重要ですが、不適切なブラッシングによって知覚過敏が引き起こされることがあります。力を入れてゴシゴシと磨いたり、研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、歯面を傷つける可能性があるため、適切な力で磨くことが大切です。

知覚過敏の治療法
知覚過敏の症状は、歯周病や加齢、不適切なブラッシング、歯ぎしりや食いしばりなどでエナメル質がすり減り、象牙質が露出することで引き起こされます。歯科医院での知覚過敏の処置には、以下のようなものがあります。

薬の塗布
象牙質が露出した部分にしみ止めの薬を塗布することで、歯髄に刺激が伝わりにくくなります。

詰め物をする
歯の根元がくさび状に欠けている場合、歯科用プラスチックで詰め物を行います。

歯周病の治療
歯周病が原因で歯茎が退縮している場合、歯周病の治療が必要です。

フッ素塗布
フッ素は歯質を強化する作用があり、知覚過敏を抑える効果が期待できます。

かみ合わせの調整
かみ合わせが原因で知覚過敏が生じている場合、強く当たっている部分を削り調整します。

ナイトガード
歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、ナイトガードを装着することで歯のダメージを軽減します。

神経をとる
知覚過敏の症状が強く、日常生活に影響が出る場合は、神経を取る治療を行うことがあります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.06.20更新

親知らずを抜歯すると小顔になる?

親知らずを抜歯したことが原因で顎の骨が小さくなることはほとんどありません。エラが張っている方や頬骨が大きく出ている方は、親知らずの抜歯による小顔効果があると言われることもありますが、医学的な根拠はありません。エラの部分に相当する下顎骨は、親知らずが生えている部分とは離れているため、抜歯の影響は極めて軽微です。

親知らずを抜歯した後、歯が生えていた部分の骨が退縮することはありますが、フェイスラインに影響を与えるほどの変化にはなりません。ただし、親知らずの抜歯によって噛み合わせが変わり、肥大していた咬筋が小さくなるなどの間接的な影響は出る可能性があります。また、親知らずが原因で歯肉や歯槽骨に炎症が生じていた場合、抜歯と治療によって腫れが治まり、小顔になったように見えることがあります。この場合、元々小顔だった人が親知らずの炎症によって腫れていただけであり、親知らずの抜歯によって小顔になったわけではありません。

顔の大きさやフェイスラインは骨格の成長によってほとんど決まっているため、親知らずの抜歯で大きく変化する可能性は低いです。親知らずを抜歯すること自体には多くのメリットがありますが、問題がない親知らずを小顔目的で抜歯することにはデメリットがあります。親知らずは抜歯しなくてよい場合もあり、親知らずを残すことにもメリットがあるため、抜歯するかどうかは正しい知識をもとに慎重に検討することが重要です。

親知らずとは
親知らずは医学的には智歯や第三大臼歯と呼ばれ、18~20歳頃に生えてくる3番目の奥歯です。親知らずは28本の歯が生え揃い、骨格の成長が止まった後に生えてくるため、他の歯を押しのけて不規則な生え方になることがあります。親知らずが傾いて生えたり、歯肉に埋まっていたりすることで周囲の組織が炎症を起こす智歯周囲炎が発生し、口腔内に悪影響を与える場合には抜歯が必要です。顎の骨が小さい小顔の方では、親知らずが生えるスペースが少ないため、不規則な生え方になったり、親知らずが生えてこないことがあります。

親知らずを抜歯するメリット
親知らずが原因で口腔内に問題が生じる前に、予防的に抜歯することにはいくつかのメリットがあります。小顔効果は期待できなくても、口腔の健康維持には有効な治療方法です。以下に親知らずの抜歯による主なメリットを解説します。

むし歯や歯周病予防につながる
親知らずは口腔内の一番奥に生えるため歯磨きがしづらく、歯科治療もしにくいため、むし歯や歯周病になりやすいです。親知らずと隣接する第二大臼歯との隙間もケアしにくくなるため、第二大臼歯を守るために予防的に抜歯するケースがあります。特に親知らずが半分以上歯肉に埋まっていたり、傾いて第二大臼歯の奥に隠れている場合には、食べ物が詰まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。歯磨きがしづらい・歯間ブラシが入れにくい場合は、むし歯になる前に抜歯を検討しましょう。

口腔内の炎症を抑える
親知らずが傾いたり横向きに生えたりすると、歯肉を傷つけて智歯周囲炎を引き起こします。智歯周囲炎の症状は慢性的な痛みや出血で、出血した場合には細菌感染を生じることもあります。親知らず周辺で増殖した細菌が口腔内の他の部位に悪影響を与えたり、血管から体内に侵入することもあります。慢性的な歯茎の炎症や腫れがある場合には、親知らずの抜歯によって再発のリスクを軽減できます。

口臭予防につながる
歯磨きがしづらい親知らずの周辺には歯垢がたまり、口臭の原因となります。口臭の主な原因は歯垢そのものではなく、歯垢を餌に増殖する細菌の老廃物です。細菌が増殖すると歯周病につながり、細菌の出す老廃物によって口臭も悪化します。口臭は自分よりも周りの人に与える不快感が大きく、コミュニケーションに問題を生じることもあります。口臭予防には毎日の歯磨きが重要ですが、歯磨きがしづらい親知らずがある場合は抜歯が根本的な治療方法になります。

顎関節症の予防になる
親知らずが原因で噛み合わせが悪くなると、顎に負担がかかり顎関節症になることがあります。横向きに生えてくる親知らずに第二大臼歯が押されて歯並びが乱れたり、親知らずのせいで噛みづらく片側だけで噛む癖がつくと、顎関節に過剰な負担がかかります。顎関節症は放置すると重症化し、食事や会話が難しくなりますので、親知らずが原因で噛み合わせに問題がある場合には早めの抜歯を検討しましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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