COCOブログ

2023.12.22更新

インビザラインの失敗例7パターン

『インビザライン』はワイヤー矯正よりも痛みが少なく、通院の手間も少ないというメリットに目が行きがちですが、インビザライン矯正をする場合には失敗する可能性があることも視野に入れておかなければなりません。
失敗する原因は全て医師のせいにあると考えずに、自分自身でもリスクを極力避けられるよう注意しましょう。


失敗例①:歯根が露出した
矯正によって無理な力を歯にかけることで過剰な歯槽骨(しそうこつ)の吸収を引き起こすことが、歯肉退縮につながり歯根が露出してしまうのです。
歯根が露出すると『ブラックトライアングル』という隙間が形成されてしまうリスクもあり、そうなるとそれを目立たなくするためのさらなる治療が必要になることがあります。
デジタルの治療計画では自由に歯を動かすことが可能ですが、実際のところ歯を支える歯槽骨がない場合や無理な計画をたてた場合にはこのような失敗が起こることが考えられます。

失敗例②:歯列の悪さが悪化した
インビザライン矯正治療は歯列や噛み合わせを良くするための矯正ですが、反対に歯列の悪さが悪化してしまうケースもあります。
特に多く見られるのが正中(口の中心)が合わないケースです。
気になっていた八重歯や出っ歯は綺麗に矯正されて気にならなくなったけど、正中が合わずうまく噛み合わない失敗例が多くあります。
意外とインビザライン矯正が終わるまで気がつかない人も多いようなので、注意が必要です。

失敗例③:噛み合わせが悪化した
また、インビザライン矯正治療で噛み合わせが悪化してしまうケースもあります。
歯科矯正治療とは不正咬合を正して、顎・口腔機能と審美性(見た目)の向上を求めることであり、本来ならば審美性だけが向上して不正咬合が治らないことはありません。
しかし、歯科医師が計画した治療計画やマウスピースに問題があった場合は歯並びだけが良くなり、噛み合わせがより悪化してしまうケースもあるのです。

失敗例④:虫歯・歯周病になった
気をつけたいのがインビザライン矯正治療がきっかけで、虫歯や歯周病になってしまうケースもあります。
その原因は口の中が不衛生な状態になってしまうことで、要因は以下のようなことが考えられます。
・長時間のマウスピース着用
・マウスピースの衛生管理不足
・マウスピースをつけたままの食事
・歯磨きなど口腔内ケア不足
虫歯や歯周病になったと発覚した場合にはそちらの治療が優先されるため、矯正も当初予定していた期間より伸びます。
矯正歯科医院では虫歯や歯周病の治療を実施していない場合もあり、その際は一般歯科で治療を受けなくてはならないので手間がかかりますね。
もし虫歯や歯周病の治療に時間がかかりマウスピースが合わなくなった場合には型取りから・・・といったケースもあります。

失敗例⑤:歯を削りすぎて治療に時間がかかった
インビザライン矯正治療の際、歯を削りすぎたことで本来予定していた治療期間以上に時間が必要になるケースもあります。
矯正治療のなかには歯が動くスペースを確保する一つの方法として、IPR(ヤスリで歯を削る方法)でスペースを確保する場合があります。
この際に『必要以上に隙間をあけてしまったケース』では、予定していた矯正期間では全ての歯が動かなかったりマウスピースの枚数を増やさなければいけなかったりする場合もあります。

失敗例⑥:抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかった
インビザライン矯正治療では抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかったというケースもあります。
矯正治療には抜歯を伴うこともあり、そうすると奥歯が前に倒れこむリスクがあります。
特にインビザラインでは歯の上にマウスピースが覆いかぶさるので、ただでさえ倒れやすい歯が上からマウスピースに押されてさらに倒れやすくなります。
そのようにして倒れた歯はマウスピースからズレてしまい、矯正治療がうまく進まなくなるのです。
また、奥歯の倒れこみをリカバリーしきれない場合には、結果的にワイヤー矯正との併用が必要になるケースもあるので、抜歯をする際は歯科医師とよく相談すべきです。

失敗例⑦:歯列矯正の効果が薄かった
インビザライン矯正治療では歯列矯正の効果が薄かったと感じるケースもあるようです。

歯列矯正の効果が低い要因
・保定装置をしっかり装着せず後戻りした
・マウスピースを順番通り装着しなかった
・全てのマウスピースを装着しなかった
・一日20時間以上の装着時間がなかった
・途中で虫歯や歯周病になった
上記の原因にはルールを守らなかった場合や歯の後戻りを保定装置をしっかりつけずに後戻りしてしまった場合などが考えられます。
『矯正の効果が薄いと感じるケース』は医師だけの問題ではなく矯正する患者様に問題があるケースも多くあります。
せっかく矯正治療をするのであれば、決められたルールや期間を守ってその治療効果が最大限に発揮されるよう努力していただくことも必要です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.12.15更新

遺伝するのは歯並びではなく骨格です

遺伝

自分の歯並びが子どもに影響するのでは?と、心配になる親御さんも多いかと思います。特に親御さん自身が矯正治療を経験されていると、なおさら大切なお子さんの歯並びが気になることでしょう。
親御さんとお子さんの歯並びが似ているというのは、決して珍しいことではありません。
それは、顎の形や顔と顎のバランスといった歯並びに影響を与える骨格の遺伝子情報が子どもに受け継がれ、結果的に親御さんと似ている歯並びが形成されるからです。
持って生まれた骨格を変えることは難しいですが、歯並びには後天的な要因も大きく関係しています。まずは歯並びを悪くする習慣や癖が定着していないかを確認してみることも、綺麗な歯並びを手に入れる近道になります。

遺伝しやすい歯並びはありますか?

歯並び

骨格が影響している歯並びは、つまり遺伝しやすい歯並びと言えます。骨格が大きく関係する歯並びには以下のものがあります。

叢生(そうせい)
乱ぐい歯や八重歯など、歯並びが不規則に並んでいるのが叢生です。例えば、八重歯も不正咬合の一種で叢生に分類されます。ガタガタの歯並びは顎の骨が小さいために歯が綺麗に並ばずはみ出てしまうことが原因の一つですが、これは遺伝による骨格の要素が影響していると言えます。

上顎前突(出っ歯)
噛み合わせた時に上の歯が下の歯よりも大きく前に出ている不正咬合のことです。骨格に原因があることが多く、遺伝的な要素も強い歯並びです。

反対咬合(受け口)
噛み合わせたときに下の歯が上の歯より出ている噛み合わせのことです。骨格的な要因により受け口になっていることがあるため、遺伝的な要素があると言えます。また、骨格が原因で受け口になっている場合は、矯正だけでは完全に治すことが難しい場合もあります。

歯並びを悪くする生活習慣
骨格の遺伝だけではなく、家族で同じ生活スタイルで過ごしていくことで積み重なっていく生活習慣も、歯並びに影響する要素の一つと考えられます。
柔らかいものを好んで食べる
食べやすいからといって柔らかいものばかりを食べていると、噛む回数が少なくなります。また噛むための顎の力も弱まるため、顎と筋肉のバランスが崩れ健全に成長できなくなります。顎が小さいままでは歯が並ぶスペースを十分に確保できず、歯並びにも悪影響を及ぼします。

指しゃぶり
小さなお子様によく見られる指しゃぶりも、歯並びを悪くする癖の一つです。指しゃぶりが癖になると、前歯に常に負荷がかかっている状態になるため、出っ歯になる可能性が高くなります。

爪を噛む
爪を噛むことが癖になっていると固い爪を噛むために口全体を噛みしめることになり、歯に余計な負荷がかかります。そのため、無理な噛みしめは歯並びに影響します。

頬杖をつく
頬杖をすると手を添えている方の歯に、外部からの負荷がかかります。また、頬杖をよくついている方の歯がだんだんとV字型に傾いてきてしまいます。

口で呼吸する
鼻ではなく口で呼吸することが日常になっていると、下顎が下がった状態になります。そうすると、無意識に舌の位置が下になってしまいます。舌が常にだらんとなった状態のため、口周りの筋肉が発達できません。そのため、顎とのバランスが崩れ出っ歯や受け口といった歯並びになる可能性があります。
このように日頃何気なく行っている癖の積み重ねによって、歯並びが悪くなってしまうことがあります。このような習慣を見直し、成長とともに変化する歯並びに悪い影響を与えないよう注意しましょう。

アレルギーの遺伝による歯並びへの影響
アレルギー体質は比較的遺伝しやすいと言われています。
アレルギー体質を受け継ぐことは、特段歯並びに影響がないように思います。しかし、アレルギー体質によりアレルギー性鼻炎になると、鼻が詰まり口呼吸が常態化してしまいます。歯並びにおける口呼吸の弊害は上記に述べた通りです。一見無関係に見えて、アレルギー体質であることも実は歯並びに影響があるのです。

歯並びは確かに遺伝的な要素もあります。しかし、食事内容、指しゃぶりや爪の噛み癖、口呼吸、頬杖をつくなどの生活習慣が原因となっている歯並びも多くあります。
一般的に遺伝が歯並びに影響する割合は3割程度と言われています。残り7割は、実は生活習慣など後天的な要因が影響するものがほとんどなのです。遺伝だからと諦めるのではなく、まずは歯並びに悪影響を及ぼすような生活習慣をしていないかを見直してみましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.11.27更新

新世代のデジタル矯正、インビザラインGoとは

鏡を見る女性

インビザラインGoによるマウスピース矯正治療は、これまでの矯正治療とは全く違った、新しい世代の矯正法です。インビザラインGoでは最先端のAI技術を至る所で駆使し、精密で、それでいて無駄がなくスピーディー、かつ快適な治療が可能になっています。インビザラインGoマウスピース矯正の注目すべき特徴についてご紹介していきましょう。

治療可能かどうか、数分でわかる
これまでの矯正治療といえば、矯正治療を行う前の診査自体も、レントゲンや模型採りなどで、多くの時間や手間がかかっていました。でも、インビザラインGoなら、治療が可能かどうかの診断はとても簡単。iPhoneまたはiPadで、お顔やお口の中の写真を撮影、それを専用のアプリにかけるだけで、5分以内でインビザラインGoによる治療が可能なケースかどうかが診断できるのです。この診断は、インビザラインGoを行なっている歯科医院がインストールしているアプリで行うことができます。

前歯だけどうにかしたい!という悩みに対応
インビザラインGoのマウスピース矯正は、前歯のズレを矯正することを目的としています。前歯のちょっとしたすき間や重なりが気になっていても、「矯正するのは時間も費用も労力もかかるし、そこまでやるのも・・」と、あきらめている人は多いのではないでしょうか。インビザラインGoはまさに、そのような人のために開発された、ちょっとした前歯のお悩みを、手軽に短期間で他人に気付かれずに行うことのできる矯正治療システムです。前歯の歯並びがきれいに整うだけで、お顔の印象が上品に変わりますし、歯や歯茎の健康にとっても大きなメリットがあります。

取り外しできるマウスピースタイプ
インビザラインGoは、矯正治療の中でも最も人気の高い、透明で薄いマウスピースタイプの矯正装置を使用します。薄くて透明ですから、装着していても目立たず、そのまま生活していても周囲に気づかれることはほとんどありません。また、ご自分で取り外しができますので、お食事や歯磨きの際には外しておくことができ、大変便利です。さらに、歯の表面に金具がつかないので、口の中を傷つけることもありません。このように、マウスピースタイプの矯正装置は、従来の矯正装置ような「目立つ」「食べにくい」「磨きにくい」「痛い」というような様々な悩みを一気に解決してくれる装置だと言えます。

AI技術を駆使した最新矯正法
インビザラインGoには最新のAI技術が随所に取り入れられています。まずは、先ほどにも触れましたが、治療が可能かどうかの簡易診断がスマホやタブレットのアプリでたったの数分で行うことができるということが挙げられます。そして、その後、治療が可能と診断された場合、装置を入れるための型取りが必要になりますが、これも光学スキャナを歯に当てて、情報を読み取るだけで終わります。以前のようなどろっとした材料を口の中にいっぱいに入れて吐き気に苦しむ必要もありません。
光学スキャナで読み取られた情報はすぐにコンピューターに送信され、専用のコンピューターソフトを使って治療計画まで立てることができ、またその治療計画のシミュレーションを患者様ご自身にも見ていただくことができます。
そして、歯型の情報や治療計画の情報を、インビザラインGoを提供している会社であるアライン・テクノロジー社に送信し、その工場で、3Dプリンターを用いて患者様ごとにオーダーメイドの精密なマウスピースを作っていきます。

治療の進み具合が予測でき、その通りに治療が進む
インビザラインGoの矯正治療では、これまでインビザラインシステムで行われた世界中、600万件以上の治療データをもとに、コンピューターが歯の運動を正確に予測し、治療計画が作り上げられます。ビッグデータをもとに作られた治療計画は非常に予測実現性が高いので、治療期間をほぼ正確に把握できますし、患者様にとっても、ご自分の歯が動く様子、また最終的なイメージを見ていただくことができるのは、とても有意義なことだと言えるでしょう。

インビザラインGoでこんなことができます
前歯の並びをちょっとだけ直す
インビザラインGoは、奥歯の噛み合わせや歯並びに問題がないケースで、前歯だけちょっと直したいという場合に最適な治療法です。

歯の大きさのバランスを揃えて審美的に
被せ物をする前に、歯のバランスを揃えるために行われることもあります。もともとの歯の大きさのバランスが均等でない場合や歯がねじれていたりする場合、それに合わせて被せ物をしても、美しく仕上がりません。インビザラインGoで歯のバランスを整えることで、より全体的に均整のとれた、自然で美しい仕上がりにすることができます。

インプラントを埋める隙間を作る
歯を失い、その部分にインプラントをする際、周囲の歯が空いたスペースに移動して、インプラントを埋める幅が足りなくなっている場合があります。そのような場合にインプラントを埋める場所を確保するための前処置としてもインビザラインGoは活躍します。

以前矯正した部分の後戻り対策
過去に矯正治療をして、その後に後戻りを起こして歯並びが重なってきた場合でも、インビザラインGoなら簡単に歯並びを整え直すことができます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.11.20更新

鏡を見る女性

「私は数本の歯が乱れているだけだから部分的な矯正で済ませたいな」といったように、気になる歯が1~3本程度ならば部分矯正で治せるのではないかと考えている人も多いでしょう。
しかし乱れた生え方をしている歯の本数が少なくても、部分矯正では治せずに、全体的に矯正治療をしなくてはいけない症例はたくさんあることを知ってもらいたいのです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。部分矯正は費用を安く抑えられ、治療期間も短いというメリットがあります。その反面、噛み合わせを改善させることができない点がデメリットとして挙げられるでしょう。
基本的に矯正といえば歯列全体を動かす治療法であり、部分的な矯正治療で済ますことができるケースは限られています。つまり、部分矯正は、噛み合わせに問題がない、軽度の症例に限り、用いることができる治療法です。今回は部分矯正について詳しく掘り下げていきましょう。

部分矯正ができない例
患者さんが「部分的な矯正で歯列を整えたい、部分的に歯を動かしてもらうだけで構わない」という希望を抱いていても、できない場合が多いです。「数本の歯だけを部分矯正で治したい」と考えても、条件をクリアしない限り部分矯正では治せません。
この項では部分矯正で対応できないケースを、例を挙げて紹介しましょう。

前歯や八重歯を並べるスペースが圧倒的に足りない
1本ずつの歯を少量ずつ削ることにより、歯を動かすスペースを生み出す方法を「IPR」(interproximal enamel reduction)と言います。歯の表面を覆っているエナメル質をわずかに削るだけなので、問題は起こりにくいです。実際には、日本人では歯の一本当たり、片側0.25mm、両側で0.5mmまでが安全だと一般的に言われていますが、上下の歯でもエナメル質の厚さは異なります。
このような処置を行うケースは、前歯や八重歯だけを部分矯正する場合によく用いられる方法です。歯のサイズに対して歯を収める土台が小さいことが原因なのですが、歯が大きすぎたり、歯が重なりあっている状態が重度の場合は、IPRで得られるスペースでだけでは歯を並べるスペースが足りないため、IPRを用いた部分矯正はできません。

出っ歯を後ろに引っ込めたい
「出っ歯」というのは上顎の歯列が前方へと突き出ている状態のことです。骨格の問題として上側の歯列全体が突き出ている場合と、前歯に角度がついて出っ歯になっているケースが考えられるでしょう。
どちら場合にしても、前歯を後ろに下げるためには、前歯と奥歯を関連させて全体的に歯並びとかみ合わせを整えてながら前歯を下げていく必要があるため、部分的な矯正では治療することは基本的に不可能です。

前歯が閉じない歯並び(開咬)
「開咬(かいこう)」というのは、上下の歯を噛み合わせた時に前歯が閉じずに隙間ができている症状のことです。奥歯はしっかりと噛み合っている状態で、前歯が開いてしまっている症状を指します。
「前歯だけを治せば良いから部分矯正できる」と考える方もいるかも知れませんが「噛み合っている奥歯」と「開いている前歯」の両方を見なくてはならない全体矯正が必要となる症状であり、全体矯正を行うにしても難しい症例であり、時には外科手術が必要な場合もあるくらいなので、部分矯正で治療できるケースは少ないでしょう。

正中が合わずに左右非対称
前歯2本の間を通る、中心の縦線を「正中(せいちゅう)」と言います。この線が上側と下側で揃わない場合、患者さんが「部分矯正で歯列を整えたい」といった願望を持っていても、全体矯正することをお勧めします。
なぜならば、正中が真ん中で揃わないということはどこかにズレが生じていることが多いためです。骨格に問題があったり、噛み合わせに不具合がある場合は、部分的な矯正では対応できません。

部分矯正のよくある質問
歯列の条件としては部分矯正ができるはずなのに、医師からは「できない」と言われる例も少なくありません。患者さんとしては「どうして」といった疑問が残ってしまうことも。
部分矯正を希望する人が知っておきたいこととは、どのようなものでしょうか。
歯の神経を抜いているが部分矯正は可能?
歯は「歯槽骨」と呼ばれる骨に埋まっている状態です。歯槽骨と歯の間には「歯根膜」と呼ばれる薄い膜があるのですが、この部位が正常な状態ならば歯の神経を抜いた人でも部分矯正は可能です。
また、虫歯治療で歯に被せ物をしている場合は、それを外した上で矯正をするパターンがあるでしょう。矯正力が歯に加わった時に、被せ物にも力が伝わると不意に外れてしまう恐れがあるためです。
また、基本的には一部にインプラントの歯があっても矯正は行えますが、歯根膜がないインプラント歯は、天然の歯のように矯正治療では動かせないので医師と相談してみましょう。

部分矯正が向いている人は?
部分矯正を全体矯正と比べた場合、治療に臨むにあたっての気構えや苦労の大きさが違ってくるでしょう。掛かる費用が安く、治療期間も短い部分矯正は「気軽に」歯列矯正をしたい人に向いているのでしょう。
ただし、全体矯正を選んだ方が、イメージ通りの仕上がりになりやすいという点は覚えておきましょう。全体に比べて部分ではできることが限られてしまうため、部分矯正で治療した結果が「望んだ歯列にならなかった」となる可能性があります。

部分矯正の注意点は?
歯列矯正は「美容目的の治療」「見た目が良いならOK」と考える人もいるかもしれません。しかし、本来は噛み合わせも改善できる治療法であり、機能性の回復も期待できるのです。
ところが先に述べたように、部分矯正では噛み合わせの改善ができないので、注意が必要です。また、歯列全体を美しく整えられる全体矯正に比べ、部分矯正ではそこまで追求できず、理想の結果とならないこともあります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.11.13更新

自分の写真を見ては、ため息をついていませんか?

鏡を見る女性
「前歯だけ引っ込んでくれたら・・・」
「1本だけ歯が飛び出していて、すごく目立つ・・・」
矯正治療をするほどではない、と思いながらもやっぱり気になる「前歯」の歯並び。
ホワイトニングをしたり「自力で歯並びを治せないかな?」とインターネットで調べて試してみても根本的な解決にはならず・・・
そんなコンプレックスを、長年抱え続けてませんか?

これまで何度も矯正治療を諦めてきたあなたへ
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)は、AIの技術進歩により、今や部分矯正にも対応可能な治療方法です。

全顎的な矯正治療に比べて、使用するマウスピースの数も半分程度に抑えられることから、患者様の費用面の負担も軽減されます。加えて、通常の半分以下の治療期間で歯を動かしていくため、通院の手間・負担も少なく、あなたが想像するよりずっと現実的な治療方法だと感じていただけるはずです。

さらに、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)では「部分矯正」のレベルに応じて2つのラインが展開されています。矯正するか迷う程度の軽度の前歯部のズレや、上の歯だけ(または下の歯だけ)といった場合には、更に少ないマウスピースの数・短い治療期間で矯正治療を行うことが可能です。

部分矯正には、次の2つのタイプがあります。
部分矯正には2つの製品がありますが、どちらが優れているということではなく、患者様の歯並びや目指すゴールによって、どちらの製品を使用するのが最適かという基準で選択していきます。
例えば、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザラインGO 完成物薬機法対象外)では、奥歯のかみ合わせにはアプローチしません。

そのため、歯並びのガタガタを整えるために必要なスペースは、歯並びを広げる(拡大)よりもIPRによって確保することが多くなりますが、もともと歯ぐきに隙間がある方の場合はそのスペースを利用することができます。
また、奥歯に被せものを付けている方の場合、奥歯を動かすと被せものに不具合が生じることがあります(取れる、痛みが出るなど)。これは、被せもの・詰め物といった補綴(ほてつ)物は基本的に「今の歯並び(噛み合わせ)」に合わせて製作されているためです。
こういったことから、かぶせ物や詰め物が多い方・そして歯ぐきの隙間がある方などは、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザラインGO 完成物薬機法対象外)が望ましいかもしれません。

部分矯正で注意すべきポイントとは?
部分矯正に使用する2つの製品ですが、全顎治療と異なり、どちらもマウスピースの枚数に制限があり、作り直しの回数も限られております。これらの適用範囲内で治療を終えなければ、治療計画の見直しが必要になり、予算・通院回数は予定通り進めていくことができません。

✔思ったより時間がかかった
✔予定より追加費用が多くなった
✔結婚式に合わせて始めたのに、間に合わなかった etc...

こんな結果に終わってしまうと、せっかくの部分矯正にも価値を感じていただけないのでしょうか?

限られた枚数・期間の中で成功を目指すためには、正確な診断と無駄のない設計が必要とされます。また、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン・ライト 完成物薬機法対象外)および(製品名インビザライン・GO 完成物薬機法対象外)が一般市場にリリースされたのはそれぞれ2010年、2018年と比較的新しい治療方法です。そのため、すべてのクリニックがこの治療方法に対応していたり、実績があったりするわけではありません。

「部分矯正」は、患者様にとってとても手軽なイメージがあるかもしれませんが、シンプルだからこそ担当医の経験・技術が大きく影響することが考えられます。

部分矯正で治療ができる歯並びの条件
では、どのような歯並びであれば部分矯正で治すことができるのか?部分矯正の目安となるポイントを簡単にご紹介します。
1.全体的なかみ合わせに大きな問題がないこと
部分矯正は、治療に使用するマウスピースの数や作り直しの回数も限られています。奥歯を動かして矯正を行うためにはより専門的な知識と技術が必要であり、治療期間も長くなるのが通常です。

「部分矯正」という括りの中で歯並びを治すことを考えると、もともとのかみ合わせに大きな問題がないということが一つの基準となります。

逆を言うと、過去に矯正治療を受けられたことがあり「後戻り」のトラブルに悩まれている方の場合はここを概ねクリアしていることが多いので、「再治療」の一つの手段としても部分矯正が用いられることがあります。
2.叢生(デコボコ)の量が少ないこと
叢生(デコボコ)の量は、部分矯正が対応可能かを見極めるうえで重要なポイントです。
例えばマウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン・GO 完成物薬機法対象外)の適応条件として、アライン社の公式発表では

✔叢生/空隙:片顎7mmまで
✔拡大/片顎につき4mmまで拡大可能
✔オーバーバイト・ディープバイト・オープンバイトの改善:5mmまで
✔正中線の移動:1mmまで

といった基準があります。
適応可能かどうかは、まず診断を行ってあなたのお口の状況を細かな数値で分析することが必要です。
3.マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)の使い方を守ることができること
部分矯正はいわば「短期集中」の治療方法です。1日20時間以上の装着時間を厳守できるかどうかがとても重要になります。

2~3年をかけて行う全顎的な治療では、体調不良や旅行などで装着できなかった場合に、該当するステージの装着時間を延ばしたり・マウスピースを再作製したりして軌道修正していきますが、部分矯正において「頻繁に装着を忘れてしまう」「ついついサボってしまった」ということが起こると、ゴールが遠ざかるだけでなく、再作製などによって費用や負担が増えていく可能性があります。

✔きちんと装着時間を守ることができる
✔自己管理・体調管理ができる

こういったことも、部分矯正を成功させるためにはとても大切な視点です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.10.30更新

インビザラインで順番を間違えたらどうなる?

インビザライン
インビザライン矯正のマウスピースは順番を間違えてしまうと、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。

マウスピースがはまらない
インビザラインのマウスピースは、現在の歯並びにぴったり合うものではなく、歯を動かした状態の形をしています。
そのため、間違えて1つ先や2つ先のマウスピースを装着すると、歯並びとのズレが大きく上手くはまらなかったり、装着時に強い痛みを伴ったりすることがあります。

マウスピースが浮く原因になる
間違えて装着すると、治療計画とのズレが生じてマウスピースが浮いてしまう可能性があります。
ほんの少しの浮きであれば許容範囲ですが、大きく浮いてしまうと矯正効果が得られず、最悪のケースでは歯並びが悪化する可能性も。
チューイーをしっかり噛んでも大きな浮きが生じてしまう場合は、作り直しが必要になりますので歯科医院へ相談しましょう。 

計画通り治療が進まない
マウスピースの順番を間違え、大きく浮いてしまったり、一部の歯が動かなくなったりすると計画通りに進まなくなります。この場合は、マウスピースの作り直しが必要になることも。
ただし、初回にスキャンした歯型データで再作成ができない場合は、新たに歯型をスキャンして作り直さなければならない可能性があります。
また、リファイメント(追加でマウスピースを作製すること)と異なり、別途料金が発生する場合もあるので注意が必要です。
 
インビザラインの順番を間違えてしまったら?
順番を間違えてしまったら、慌てずに順番通りのマウスピースを装着しましょう。
その際、浮きや痛みなどがなければ問題なく進められます。
しかし、チューイーを使って装着しても浮きがある、強い痛みが生じている場合は歯が計画通りに進んでいない可能性があるため、担当の歯科医師に相談しましょう。

インビザラインの番号はふられている
インビザライン矯正のマウスピースには、ステージごとに番号がふられています。
マウスピースが入っている袋やマウスピースに番号が記載されているので、まずは番号を確認しましょう。番号通りに交換しないと、歯を計画通りに動かすことができません。
マウスピースには、症例番号とステージ番号が印字されています。上段には症例番号、下段には上あごと下あごを区別する「U(上)」または「L(下)」、その後ろにはステージ数「N」が印字されています。
たとえば、上あごのマウスピースが7番目の場合、「U07N」という印字がされているので、新しいものに交換する際は、番号が正しいか確認しましょう。

インビザラインで順番を間違えないためには?
マウスピースの紛失や順番を間違えないためにも、日頃から以下のような工夫が必要になります。

番号をしっかり確認する
新しいマウスピースに交換する際は、必ず袋に記載されている番号を確認してから開けるようにしましょう。
袋から開けてしまい、どのマウスピースかわからなくなったときは印字されている番号を確認し、順番を間違えないようにします。

スマートフォンのアプリで管理する
インビザラインのマウスピースは、1日22時間以上装着する必要があり、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。
これは、ご自身で行うので自己管理が必要になります。
自己管理が苦手な方は、インビザライン専用のスマートフォンアプリ「My Invisalign」を活用するのがおすすめです。
My Invisalignでは、マウスピースの装着時間や、現在のマウスピースは何枚目でいつ交換するのかがわかります。
My Invisalign以外にもマウスピース矯正用のスマートフォンアプリがあるので、自分に合ったアプリを活用して管理しましょう。

現在使用しているマウスピースと古いマウスピースは一緒にしない
インビザラインでは、一つ前のマウスピースは保管するように指示されることがあります。
これはトラブルが起きた際、それを装着することで後戻りを防ぐためです。
ただし、現在使用しているマウスピースと一緒にしてしまうと間違えて古いマウスピースを装着してしまう可能性があります。
現在使用しているマウスピースと古いマウスピースは一緒にせず、別のケースに保管するなど工夫が必要です。

新しいマウスピースは直前まで開封しない
インビザライン矯正では治療開始時に複数枚のマウスピースを渡されます。すべて袋から開封してしまうと、ごちゃごちゃになってしまい順番を間違えてしまう原因となります。
そのため、新しいマウスピースは交換する直前まで開封するのは避け、順番通りに並べて保管するなど工夫が必要です。
 
インビザラインの順番を間違えたときによくある質問
マウスピースの順番を間違えてしまうと、焦りを覚えたり不安を感じたりするものです。ここでは、インビザラインの順番を間違えたときによくある質問を紹介します。

順番を間違えたら歯が大きく動揺してしまった
矯正中は歯がぐらぐら揺れ動くことがあります。
なぜなら、インビザラインを始めとする歯科矯正は、歯を支えている骨が溶けて歯が移動し、新しい骨に作り変えられている最中だからです。
そのため、骨が安定するまでは歯が動揺していることもあります。マウスピースの順番を数時間程度間違えたからといって歯が大きく動揺することはありません。
ただし、マウスピースの順番を2つ以上間違えてしまうと歯に大きな力が加わり、大きく動揺する可能性があります。
矯正中の歯の動揺は異常なことではありませんが、痛みが伴う場合は担当の歯科医師に相談することをおすすめします。 

インビザラインを紛失してしまった!1つ飛ばしても大丈夫?
インビザライン矯正のマウスピース1枚で動かせる歯の移動量は約0.25mmです。
紛失した場合、1つ飛ばして装着しても問題ないことがあります。
ただし、複数枚紛失した場合や、次の段階でアタッチメントの装着や歯の側面を削る処置が必要な場合、歯とマウスピースが合わない可能性があります。
そのため、1つ先のマウスピースを装着するのではなく、1つ前のマウスピースを装着して後戻りを防ぐことが多いです。
紛失した際は、歯科医院に連絡し、担当の歯科医師の指示に従いましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.10.23更新

乳歯の歯並びが悪いことによる影響
乳歯の歯並びが悪いと、以下のような影響があります。

乳歯

永久歯に影響が出る
乳歯の歯並びが悪いと、永久歯の生え代わりにも影響が出ることがあります。
生まれつき歯の本数が足りない先天性欠如や、隣同士の歯がくっついている癒合歯がある場合も注意が必要です。

虫歯・歯周病の原因になる
歯並びが悪いと、歯がデコボコしています。歯磨きをしても磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

滑舌が悪くなる
出っ歯、受け口、すきっ歯などのこどもは、すき間から息が漏れてしまい、正確な発音が難しくなってしまいます。

顎関節症になりやすい
噛み合わせのバランスが悪くなると、口周りの筋肉の発達に影響し、顎関節症発生のリスクが上がります。

乳歯の歯並びが悪いケースと対処法
出っ歯(上顎前突)の場合
顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。
乳歯の出っ歯の場合はすぐに治療はせず、永久歯が生えてきてからの治療になることが多いため、6歳頃には歯科医院へ相談し治療するのがよいでしょう。また、指しゃぶり、口呼吸、舌で歯を押してしまう癖(舌癖)があると出っ歯の原因になるので、こどもの癖は治すことをおすすめします。

受け口(反対咬合・下顎前突)の場合
下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。
受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要となる場合があります。3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し治療しましょう。

すきっ歯の場合
歯と歯の間にすき間があることを「すきっ歯」といいます。
乳歯の場合、このすき間は永久歯が生えてくるためのスペースになるため、とても重要です。乳歯がすきっ歯の場合は、永久歯に生え変わっていくうちに解消されることが多いので、定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。
逆に、乳歯がすき間なくぎゅうぎゅうに生えている場合は、永久歯が生えてくる場所がないため注意が必要です。

前歯が斜め(ハの字)に生えている場合
乳歯の前歯が斜めやハの字に生えているケースはよくみられます。
斜めなので「歯並びが悪いのでは……」と思うかもしれませんが、顎の発達が進むにつれて、次第に改善されることがほとんどです。定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。

乳歯の歯並びが悪くなる原因と予防法
こどもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝、日常の癖、生活習慣など、さまざまあります。
ここでは、ふだんの生活で、どのようなことが歯並びを悪くする要因になるのか、そしてどのような予防ができるのかを一つひとつ解説していきます。

原因と予防法

指しゃぶりをしている
2歳頃までの指しゃぶりは歯並びに影響がないといわれていますが、3歳を過ぎても指しゃぶりをしているこどもは注意が必要です。
指しゃぶりは、指を吸うことで上の前歯の裏側に強い圧がかかり、前歯が前に出てきてしまう出っ歯(上顎前突)や開咬の原因になります。5歳を過ぎても指しゃぶりをしていると、骨格にも影響が出てしまうので、注意が必要です。
指しゃぶりを止めさせたくて怒ってしまうご両親もいると思いますが、怒ると逆効果の場合があります。無理に止めさせるのではなく、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか、なぜ指しゃぶりはダメなのかなど、こどもと一緒に考えて優しく寄り添いましょう。指しゃぶりをしなかったときは褒めてあげてください。指しゃぶり防止グッズを活用するのも効果的です。

口呼吸をしている
鼻呼吸と口呼吸をしてみると、それぞれ舌の位置が異なります。この舌の位置は、歯並びに非常に関係しています。
鼻呼吸のときは、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。この位置にあることで唇や口周りの筋肉とのバランスを取り、歯並びを形成していきます。
一方、口呼吸のときは、舌は下の歯の方へ下がっていき、唇や口周りの筋肉のバランスが崩れてしまいます。筋肉のバランスが崩れると、歯並びがガタガタになる叢生や出っ歯(上顎前突)、開咬の原因になります。
また、口呼吸のこどもは鼻炎を抱えていることが多いです。鼻炎が治らなければ鼻呼吸はできませんので、耳鼻咽喉科で鼻炎の治療を受けましょう。寝るときに鼻呼吸になるよう、市販で売られているテープを口に貼り、鼻呼吸を促すのも効果的です。さらに、左右の歯でよく噛んで食べることや、「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出すあいうべ体操などで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

頬杖をつく
頬杖をつくと、顎や歯の一部に大きな力が加わり続け、顎が変形し、歯並びが悪くなってしまう原因になります。寝ころびながら頬杖をつくこどもが多いので気を付けましょう。姿勢よく椅子に座っていられるよう習慣づけることが大切です。

舌癖がある
無意識のうちに舌で歯を押している、上下の歯の間から舌を出している状態を「舌癖」と言います。舌で歯を押し続けていることで出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になり、歯と歯の間から舌を出していると開咬の原因になります。
正しい舌の位置は、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。まずはその位置に舌を持っていくよう教えてあげましょう。「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出す「あいうべ体操」や、口を大きく開けて舌先で唇をなぞるといったトレーニングで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

爪や唇を噛む
爪や唇を噛む癖も、指しゃぶりと同じような影響があり、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になります。どちらも精神的な要因が考えられるため、こどもに不安やストレスがないか把握しましょう。
無理に止めさせるのではなく、なぜ爪や唇を噛んでしまうのか、なぜダメなのかなど、こどもと一緒に考え、怒らずに優しく寄り添ってあげてください。爪を短く切っておくことや、苦みのあるマニキュアを塗ることも効果的です。

こどもの歯並びは遺伝するのか?

遺伝

結論からいうと歯並びは遺伝します。
ただし、ご両親が出っ歯だからこどもも出っ歯になるというわけではありません。ご両親の骨格や顎の大きさ、顔のバランス、歯の形や大きさなどが遺伝するといわれており、歯並びを形成するための要因が似ているため、同じような歯並びになりやすいのです。
歯並びは、遺伝はもちろんですが、生活習慣も大きく関わっています。ご両親の歯並びがきれいでも、こどもの何気ない癖で歯並びが悪くなることもあるので、注意しましょう。

歯列矯正が必要な歯並び
さまざまな歯並びがあるなかで、どのような歯並びだと矯正が必要になってくるのでしょうか。詳しく解説していきます。

出っ歯(上顎前突)
顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。
出っ歯は、前歯でうまくご飯が噛み切れず、横の歯で嚙み切ろうとしてしまい、噛み合わせが悪くなります。また、前歯が出ていることで唇や口の中が乾燥し、口臭、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
出っ歯の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療しましょう。

受け口(下顎前突)
下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。
受け口は、咀嚼がうまく行えず、顎関節症になるリスクが上がり、体のバランスや成長に大きく影響するほか、言葉の発音に影響することもあります。
受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要な場合があるため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

叢生
歯がすき間なく生え、ガタガタしている歯並びを「叢生」といいます。
歯がガタガタしていることで歯磨きがしにくく、磨き残しが多くなってしまい、口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。また、顎が小さいことで咀嚼がうまくできず、言葉の発音に影響することもあります。
叢生の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

開咬
奥歯で噛みしめたときに、上下の前歯にすき間がある歯並びを「開咬」といいます。
すき間があるため、前歯で食べ物を噛み切ることができず、奥歯への負担も少なくありません。言葉の発音に影響する可能性があり、口の中が乾燥するため口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。
開咬の場合、舌癖や指しゃぶりなどの癖が大きく関わっているため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.10.16更新

「出っ歯が気になる、治したい!」と考えている方なら、一度は歯科矯正を考えたことがあるはずです。しかし、歯科矯正をすると「若返った」なんて嬉しい噂もある中で、そんな情報とは裏腹に、歯科矯正をしたことでかえって「老けてしまった」なんて噂もあります。見た目を改善するはずが、思わぬ悩みが増えてまったなんてことにならないように、原因と対策を見ていきましょう。

出っ歯

ほうれい線ができる原因とは
女性なら特に気になるのが、年齢とともにできはじめる顔のシワ。その中でも特に悩みの種と言われているのが口元にできるほうれい線です。ほうれい線があるとないとでは、顔の印象がガラっと変わると言われているほど、見た目の印象を左右する部分にもなります。そもそも、ほうれい線はどんな原因でできてしまうのでしょうか。

加齢による頬のたるみ
年齢が上がるにつれて、目立ってくる顔のたるみ。頬を支えている肌のハリが衰えることで、重力に逆らえずに頬がしたに下がってしまいます。そうすることで、ほうれい線が気になるようになります。さらに、年齢や様々な理由から筋力が衰えることにより、ほうれい線が目立ちやすくなります。
特に、口元を囲うように覆っている「口輪筋」と口角からこめかみにかけて伸びる筋肉の「頬骨筋」といった表情筋がほうれい線に大きく作用しています。表情筋の衰えは、無表情の人や顔の筋肉をあまり使っていない人に起こりやすいです。

歯並びが悪い
歯並びが悪い人は、ほうれい線ができやすいケースがあります。特に、前歯が突出している、いわゆる「出っ歯」と言われる歯並びの人ほど、ほうれい線ができやすいと言われています。前歯の突出具合にもよりますが、前歯が唇からはみ出るようなタイプの人は、前歯を上唇で隠す癖がついている人も多く、肌にシワがつきやすくなってしまいます。
さらに、出っ歯が原因で無意識に口呼吸をしてしまい、それが癖になってしまうことで結果的に口周りの筋力低下の原因になり、ほうれい線をできやすくしてしまっている場合があります。

噛み合わせが悪い
出っ歯などで噛み合わせが悪い状態が続くと、左右どちらかに強く負担がかかりすぎてしまうなどで顎が歪んで変形してしまい、ほうれい線が目立ちやすくなってしまうことがあります。
また、筋肉が常に緊張状態になってしまうことで、シワを強調してしまったり、長時間筋肉を収縮させてしまうことでほうれい線の原因になってしまいます。しかし、必ずしも噛み合わせが良い人でもほうれい線ができない訳ではありません。

歯科矯正での変化は?
歯並びがシワの原因になることは分かりましたが、歯並びを改善する為に行う歯科矯正は、ほうれい線にどのような影響を与えるのでしょうか。

矯正治療

目立たなくなるパターン
まずは、歯並びを気にしていたことで表情筋を普段からあまり使っていなかった人が、表情に自信を持つことでたくさん笑えるようになり、表情筋が鍛えられることで改善していくことがあります。コンプレックスが改善されることで、自分に自信がもてて表情も明るくなれたら素敵ですよね。
また、元々口元が突出していた場合、口と頬の境界線が目立ちやすく、それがまるでほうれい線のように見えてしまっていた人が、出っ歯を矯正することでほうれい線が目立たなくなることがあります。
ただし、これらは直接的に矯正治療が大きく改善に関わった、というよりは間接的に改善していると捉えた方が良いでしょう。

目立ちやすくなるパターン
もともと、口元の突出が少ないのにも関わらず抜歯を行い、口唇を下げすぎてしまった場合に「ほうれい線が目立ちやすくなった」「老け顔になった」と感じることがあります。
もしくは、前歯が突出していたことが改善したことにより、唇に遊びができそれが原因で引っ張られていた皮膚にたるみが生じることで、ほうれい線が目立つようになったと感じる方もいるようです。
しかし、これらも仮説に過ぎず、抜歯を行ったからといって必ずほうれい線ができるあるいは目立ちやすくなるということはありません。

ほうれい線を予防する為には
そもそも歯科矯正は、「歯並びを改善するもの」なので、きれいな歯並びになり口元の印象が変わったり、歯並びが良くなって歯磨きがしやすくなることで虫歯予防になる、などの本来の治療目的があります。
歯科矯正でほうれい線が大きく変化したり、完全に消えるということは基本的には少ないです。そこで、ほうれい線に悩む方に歯科矯正以外の具体的な改善方法をご紹介します。

専門の医師に診断してもらう
矯正を行う前に、必ず医師に横顔の状態なども診断してもらい適切な状態をゴールにすることで、歯科矯正でのシワの原因を防ぐことができます。適切な治療計画に沿って、治療を行うことが大切です。
また、必ずしも歯並びが原因でないことも考えられますので、美容皮膚科などに相談して、皮膚専門の医師に診てもらうことも悩みの改善につながります。

左右両方の歯でバランスよく噛む
どちらかだけの歯で噛んで食事をすることが癖になってしまうと、顔の左右の筋肉に差が出てしまうことで、顔に歪みが生じてしまいます。片側噛みする方の筋肉だけピンと張ってしまうことで、ほうれい線の濃さなども見た目で違いが生まれてきます。癖になってしまうと長期間この状態が続いてしまうので、食事をする際は、両側で均等に噛むことを心がけましょう。

表情筋を鍛えるエクササイズをする
筋力の低下によって、たるみが生じ、結果的にほうれい線の原因になってしまうので、普段から表情筋を鍛えるエクササイズをすることで、筋力の低下を予防することができます。硬いものを噛んだり、ガムを噛むことも効果的です。重力に負けないように、普段から表情筋のケアをすることが大切です。
保湿する
乾燥もシワの原因の一つです。加齢により、肌の水分量が少なくなってしまうので普段から保湿することを心がけましょう。
保湿をすることで肌のたるみの予防や、ほうれい線がくっきりついてしまうことを予防できます。
紫外線対策をする
特に一番大切だと言っても過言ではないのが、紫外線対策です。ほうれい線の原因となる顔のたるみは、紫外線による光老化で加速します。普段から、外出時だけでなく家にいる時もUVクリームを顔に塗ったり、外出する際は、日焼け止めを必ず塗る、日傘を使用する、帽子をかぶるなどのケアが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.09.30更新

部分矯正?全体矯正?その見分け方

部分矯正と全体矯正は、歯並びの問題を改善するための矯正治療の方法です。以下に、それぞれの適応症と特徴をまとめてみましょう。

部分矯正

適応症

部分矯正は、歯並びに特定の問題があるが、全体のかみ合わせには大きな問題がない場合に適しています。一部の歯の位置や噛み合わせに問題がある場合、部分矯正で治療が行えることがあります。

治療範囲

部分矯正では、一部の歯または特定の歯の位置を調整することが一般的です。歯の凸凹や軽度な不正咬合を修正するのに適しています。

治療法

部分矯正の治療法には、歯を少しずつ削って歯のサイズを調整する方法や、特定の歯のアーチを広げる方法が含まれます。歯を抜かないで修正できるケースもあります。

特徴

部分矯正は通常、治療期間が全体矯正よりも短く、比較的低コストです。ただし、歯の問題の種類や重度に依存します。

全体矯正

適応症

全体矯正は、全体のかみ合わせに問題がある場合や、歯並びの問題が複雑で重度の場合に適しています。歯並びや噛み合わせの大幅な改善が必要な場合には、通常全体矯正が必要です。

治療範囲

全体矯正は、ほぼ全ての歯に装置を取り付け、歯の位置を調整します。噛み合わせの重大な問題、歯並びの大幅な修正、歯の間隔の調整、歯の傾きなどを改善するのに適しています。

治療法

全体矯正は、歯を動かすためにブラケットとワイヤーを使用することが一般的です。また、歯を抜くことが必要な場合もあります。

特徴

全体矯正は通常、治療期間が部分矯正よりも長く、コストが高くなることがあります。しかし、複雑な歯並びの問題を解決できます。

部分矯正と全体矯正の適応を見分けるための要因

部分矯正

凸凹の本数: 部分矯正は、通常、歯並びに特定の問題があるが、その問題が一部の歯に関連している場合に適しています。前に出ているまたは引っ込んでいる歯が1~2本の場合、部分矯正で治療が可能な場合が多いです。
凸凹の大きさ: 凸凹が大きい場合、歯を整列させるのに必要なスペースが大きくなります。凸凹の大きさも考慮され、大きい場合は全体矯正が適応となることがあります。

全体矯正

全体のかみ合わせに問題がある: 全体のかみ合わせが不適切であり、歯並びだけでなくかみ合わせも改善が必要な場合、全体矯正が適しています。噛み合わせの修正も含めて治療が行われます。
凸凹の本数と大きさ: 凸凹の問題が多く、大きい場合、全体矯正が必要になることがあります。全体矯正は、歯並びやかみ合わせの大幅な改善を可能にします。

部分矯正は歯の外観を改善するのに適している場合が多い一方で、全体矯正は歯の健康を保護し、全体のかみ合わせを改善するのに適しています。目標や優先事項に応じて、最適な治療法を選択するのが重要です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2023.09.23更新

「噛み合わせ」と「歯並び」の違いとは?

歯並びと噛み合わせは異なる概念で、それぞれに独自の意味と役割があります。以下ではそれぞれの概念を詳しく説明します。

歯並び(Orthodontics)

歯並びは、歯の位置や配置、そして外見に関連します。主に見た目に焦点を当てた概念で、歯が整然と並んでいて美しく見えるかどうかに関わります。
歯並びの問題を解決するためには、歯を移動させて適切な位置に配置することが必要となり、このプロセスを矯正治療と呼びます。
歯並びの改善は審美的な目的を追求し、歯並びを美しく整えることが主な目的です。ただし、歯の機能そのものには直接関与しません。

噛み合わせ(Occlusion)

噛み合わせは、歯の上下の顎同士が接触する際の関係や咬む機能に焦点を当てた概念です。これは歯の機能面に関連します。
正常な噛み合わせは、上下の歯が適切に接触し、咀嚼時に均等な圧力を分散し、食事を適切に噛む機能を提供します。
噛み合わせの問題があると、咀嚼の効率性や歯と関節への負担が増加し、歯周病や顎関節疾患などの健康問題のリスクが高まります。
要するに、歯並びは主に歯の外観や審美的な側面を指し、矯正治療を通じて改善されます。一方、噛み合わせは歯の機能に焦点を当て、適切な咀嚼機能と全身の健康に関与します。

歯科矯正によって噛み合わせを正常化することには多くの利点があります。

しっかり食べものを噛めるようになる

噛み合わせが正常であると、しっかりと食べ物を噛むことができ、咀嚼が進みます。これにより、栄養の吸収効率が向上し、全身の健康に貢献します。

後戻りを防ぎやすくなる

歯科矯正を受けた後、歯並びが元の位置に戻る「後戻り」を防ぎやすくなります。適切な噛み合わせを持つことで、歯が適切な位置に収まり、後戻りのリスクが低減します。

歯が傷つきにくくなる

噛み合わせが乱れていると、歯に不均衡な力がかかり、歯にひびが入る可能性があります。噛み合わせが正常であれば、各歯に均等な力がかかるため、歯の損傷リスクが減少します。

外傷性咬合による歯周病の予防

噛み合わせの不調和(外傷性咬合)が原因で歯を支える歯槽骨に損傷が生じ、歯周病が進行する可能性があります。正常な噛み合わせを回復させることで、外傷性咬合による歯周病のリスクを軽減できます。

顎関節症、頭痛、肩こりの予防・解消

噛み合わせの不調和により、顎関節に不均衡な圧力がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。正常な噛み合わせを回復させることで、顎関節症の予防と関連する頭痛や肩こりの症状の軽減が期待できます。

これらのメリットは、歯科矯正が単なる審美的な側面だけでなく、全身の健康にもポジティブな影響を与えることを示しています。正常な噛み合わせを持つことは、歯の長寿命と全身の健康に重要な要素です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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