学校の歯科健診で矯正が必要と言われたけど本当?
2022.08.25更新
学校で行われる歯科検診で矯正の治療が必要と用紙をもらって、お子さんがお家に帰ってくることがあるでしょう。虫歯の治療とお知らせされれば、急いで歯科医院へ受診しないと歯を失ってしまうと思われるでしょうが、矯正の場合はそんなに早く行う必要があるのか?と疑問に思う保護者様もおられると思います。
学校の歯科検診とは?
お子さまが学校で受ける歯科検診とはまず、どのようなものでしょうか。実は学校の検診には期間が定められています。学校保健安全法に基づき、学校保健安全計画というものが作成され、6月30日までに児童の健康診断(身長や体重などを含む内科・歯科)を行わなければならないのです。
では、学校が依頼している校医(歯科医師)が、登校している生徒に対して行う歯科検診とは、どのようなものでしょうか。ドクターはお子さんたちのお口の中を下記の4つの点を踏まえてチェックします。
・細菌感染が原因の虫歯が有るか・無いか
・歯肉が炎症を起こしているか・いないか
・乳歯から永久歯への生え変わり状況は適切か
・歯並びや噛み合わせの状態に異常はないか
学校からもらう歯科検診の用紙について
学校で歯科健診を受診した子どもには、健康診断の結果を記載した紙を先生から渡されます。異常なしの子どもは異常なしと記載があるでしょう。ただもし、該当する項目があれば、下記のような案内があります。
虫歯がお口の中に有る場合は本数
歯周病のもとになる歯肉炎を起こしている場合は有無
生え変わりの時期を過ぎているのに残っている乳歯の有無
不正咬合などの歯並びの問題(歯列の不正)がある場合は要観察・要精検
要観察とは、注意が必要という意味で経過観察
要精検とは、歯医者さんへ行き精密検査を受ける必要という意味です。
ただし、学校で行う歯科検診は、歯科医院の設備(チェアー・照明・レントゲン・歯科用CT)がある場所ではありません。そのため、歯科用の小さなミラーなどでチェックします。用紙をもらってこなければ安心というわけではありません。
歯の矯正の必要性とは
歯の定期健診で、歯列矯正を早めに治療を行うべきと診断される場合は、見た目の問題だけではなく、身体に影響を及ぼす可能性があるとお考え下さい。咬合の悪さからくる頭痛、ずれたあごの咀嚼からくる顎関節炎、咬む筋肉が偏るための顔貌の変化の一因など、様々なトラブル引き起こす可能性があります。矯正治療はワイヤー・ブラケット矯正(普通矯正・裏側矯正)やマウスピース矯正(インビザライン矯正)により、歯を正しい位置に動かし、特定の歯に負担がかからない綺麗な歯並びにします。
子供の矯正は本当に必要なの?
子供の場合は、心身ともに成長の途中です。小学校低学年の子がお知らせをもらって帰ってきた場合、あごの大きさも未発達です。
矯正治療をその時期に開始すれば、あごの成長に合わせてバランスを整え、歯を並べるように担当医がコントロールすることが可能です。きちんとした歯並びにすることは上記にもありますが、お顔立ち(顔貌)の左右のバランスにも影響を及ぼします。
ちなみに永久歯へとすべて生え変わった歯並びならば、大人の歯列矯正と同じ治療法で矯正となります。
・出っ歯(上顎前突)
・受け口(反対咬合)
・前歯が噛み合わない(開咬)
・歯並びがガタガタ(八重歯や叢生)
・上顎の前歯が下顎の前歯を覆いすぎている(過蓋咬合)
・前歯の先が常に当たる(切端咬合)
不正咬合は他にもありますが、軽度、中度、重度など程度も異なります。お口を診察して、お子様に合った矯正方法(急速拡大装置・マウスピース矯正など)、治療の期間、費用などを含めた治療計画をご説明します。お悩みをそのままにすると、咀嚼機能が低下して栄養素をうまく吸収できない等の機能面以外に、お口元を隠して笑うなどの心理的な負担やコンプレックスを持つことになります。
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