COCOブログ

2025.01.29更新

歯科健診で歯並びを指摘されたけど大丈夫?

学校の歯科検診で「矯正が必要」と診断されたら?
お子さんが学校の歯科検診で「矯正治療が必要」と記載されたお知らせを持ち帰ることがあります。虫歯の治療ならすぐに歯科医院へ行くべきと考えますが、矯正治療の場合、「本当に今すぐ始めるべき?」と迷う保護者の方もいるでしょう。ここでは、学校の歯科検診の内容や、矯正が必要と診断された場合の対応について解説します。

学校の歯科検診とは?
学校で実施される歯科検診は、学校保健安全法に基づき、6月30日までに行うことが義務付けられています。校医(歯科医師)が生徒の口腔内をチェックするポイントは、主に次の4つです。

・虫歯の有無
・歯肉炎(歯ぐきの炎症)の有無
・乳歯から永久歯への生え変わりの状況
・歯並びや噛み合わせの異常の有無

学校からもらう「歯科検診の結果」の見方
歯科検診の後、子どもには健康診断の結果が記載された用紙が配布されます。

異常なし → 特に問題なし
異常あり → 以下の項目のいずれかが該当
・虫歯の本数が記載される
・歯肉炎の有無が記載される
・乳歯が生え変わる時期を過ぎても残っている場合が記載される
・歯並びの問題(不正咬合)がある場合、「要観察」または「要精密検査」と診断される
「要観察」は経過を見守る必要がある状態、「要精密検査」は歯科医院で詳しい診察を受けるべき状態を指します。ただし、学校での歯科検診は、歯科医院のようにレントゲンやCTを使用せず、小さなミラーだけで診察する簡易的な検査です。そのため、「異常なし」と診断されても、定期的に歯科医院でチェックすることが大切です。

矯正が必要と診断されたら?
学校の検診で「矯正が必要」とされた場合、見た目の問題だけでなく、健康面にも影響がある可能性があります。不正咬合があると、以下のような問題を引き起こすことがあります。
・噛み合わせが悪いことで顎関節症のリスクが高まる
・咀嚼の偏りにより、顔の左右のバランスが崩れる
・発音しにくい音が出てくる
・歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが増える
矯正治療には、ワイヤー矯正(表側・裏側矯正)やマウスピース矯正(インビザラインなど)があり、歯を適切な位置に動かすことで、健康的な噛み合わせと美しい歯並びを目指します。

子どもの矯正は本当に必要?
「子どものうちから矯正が必要なのか」と迷う親御さんも多いですが、成長期に矯正を始めるメリットは大きいです。小学校低学年の段階で矯正を始めると、顎の成長をコントロールしながら歯並びを整えることができます。特に、顔の左右のバランスにも影響するため、適切な時期に治療を始めることが重要です。永久歯が生え揃った後の矯正は、大人と同じ方法(ワイヤー矯正やマウスピース矯正)で行われます。

矯正が必要な歯並びの例
次のようなケースでは、矯正治療が推奨されることが多いです。
・出っ歯(上顎前突):上の前歯が前に出ている
・受け口(反対咬合):下の前歯が上の前歯より前に出ている
・開咬:奥歯を噛んでも前歯が噛み合わない
・八重歯・叢生(歯のガタガタ):歯がきちんと並んでいない
・過蓋咬合:上の前歯が下の前歯を覆いすぎている
・切端咬合:上下の前歯の先端がぶつかる
不正咬合の程度は軽度・中度・重度と異なり、治療方法や期間もそれぞれ異なります。

矯正しないとどうなる?
矯正をせずに放置すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
・噛み合わせが悪化し、咀嚼機能が低下する
・歯並びの影響で虫歯や歯周病のリスクが増える
・発音に影響が出て話しにくくなる
・見た目のコンプレックスから心理的負担が増す

まとめ:矯正治療は必要に応じて早めの相談を
学校の歯科検診で「矯正が必要」と診断された場合、すぐに治療を開始する必要があるわけではありません。しかし、将来的に大きな問題を引き起こす可能性があるため、一度歯科医院で詳しい検査を受けることをおすすめします。

 

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2025.01.22更新

部分矯正で治らない前歯ってどんな前歯?

部分矯正で前歯が治せないケースとは?
前歯の部分矯正が適用できるのはどんな場合?
前歯の矯正は、一見すると簡単な治療のように思われがちですが、実際には適用できるケースが限られています。不正咬合が前歯だけにあり、かつ軽度であれば部分矯正で治療が可能ですが、すべての人が適用できるわけではありません。

部分矯正は手軽で費用が安い?
前歯の部分矯正は、全体矯正に比べて治療期間が短く、費用も抑えられることが多いため、気軽に始めやすい治療とされています。例えば、「全体矯正は高額で、装置を2年ほどつけるのが大変そうだけど、部分矯正なら数か月で終わり、費用も安いから試してみたい」と考える人が多いです。実際に、できるだけ費用を抑えて矯正したいというニーズは高いです。

さだけで部分矯正を選ぶのはリスクがある
費用の安さだけで部分矯正を選ぶのは危険です。前歯だけを治療する場合でも、上下の歯や顎の状態をしっかり検査し、慎重に判断する必要があります。その理由は、前歯の矯正には全体矯正よりも難しいケースがあるためです。歯並びを整えることは重要ですが、それ以上に大切なのは「噛み合わせの改善」です。矯正治療の目的は、見た目の美しさだけでなく、正しい噛み合わせを作ることにあります。

部分矯正ができないケースとは?
部分矯正が適用できるかどうかは、緻密な診査・診断が必要です。基本的に、部分矯正が可能なのは「前歯にのみ不正咬合があり、奥歯の噛み合わせに問題がない場合」に限られます。部分矯正ができない主なケース

❌ 奥歯の噛み合わせに問題がある場合

部分矯正は前歯の見た目を改善することが目的ですが、奥歯の噛み合わせが悪い場合は適用できません。奥歯の噛み合わせを無視して前歯だけを矯正すると、噛み合わせのバランスが崩れ、トラブルの原因になります。

❌ 前歯の不正咬合が重度の場合
・前歯のデコボコが激しく、歯が大きく重なっている
・八重歯があり、抜歯しないと歯が並ばないこのようなケースでは、部分矯正ではスペースを確保できず、十分に歯を並べることができません。抜歯を伴う矯正が必要になるため、全体矯正での治療が求められます。

❌ 受け口や開咬の場合
・受け口(反対咬合):下の前歯が上の前歯より前に出ている状態。部分矯正では改善できず、下の歯全体を後ろに下げる必要がある。
・開咬:奥歯を噛んだ時に前歯の上下に隙間ができる状態。この場合も奥歯から前歯まで広範囲に歯を動かさなければならず、部分矯正では対応できない。

まとめ
部分矯正は短期間で費用を抑えられる治療ですが、適用できる範囲は限られています。安さだけで部分矯正を選ぶと、噛み合わせが悪化したり、期待した結果が得られなかったりするリスクがあります。「自分が部分矯正に向いているかどうか」は、歯科医師の診断を受けて慎重に判断することが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2025.01.15更新

矯正治療後の後戻りとは?なぜ起こるのか?

 

せっかく矯正治療を受けてきれいな歯並びを手に入れても、その後少しずつ元の状態に戻ってしまうことがあります。これを「後戻り」と呼びます。

矯正治療には、大きく分けて2つの期間があります。ひとつは、歯を動かして歯並びを整える「矯正期間」、もうひとつは整えた歯並びを維持する「保定期間」です。矯正装置を装着するのは矯正期間であり、その後、リテーナー(保定装置)を使用して歯の位置を固定するのが保定期間となります。

特に部分矯正では前歯だけを動かすため、「それほど動かしていないのに、なぜ後戻りが起こるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、歯は本来あった位置に戻ろうとする力が働くため、何も対策をしないと歯列が乱れ、後戻りが起こるのです。

部分矯正で起こりやすい後戻りの原因

部分矯正では、以下のような理由で後戻りが起こりやすくなります。

1. 保定装置を正しく使用しなかった

矯正治療後は、歯の位置を安定させるためにリテーナーを装着する必要があります。リテーナーには取り外し可能なマウスピースタイプと、前歯の裏側に固定するワイヤータイプがあります。

取り外し可能なリテーナーは、決められた時間装着しないと効果が得られません。装着時間を守らなかったり、リテーナーを紛失・破損したまま放置したりすると、歯が元の位置に戻ってしまう可能性が高まります。

2. 舌癖や歯ぎしりの影響

舌で前歯を押す癖があると、出っ歯や受け口の原因になります。矯正後もこの癖が残っていると、再び歯並びが崩れるリスクがあります。

また、歯ぎしりや食いしばりの習慣があると、強い力が歯にかかり、歯の位置がずれてしまいます。これらの習慣を改善しない限り、後戻りが発生しやすくなります。

3. 親知らずによる圧迫

親知らずは多くの場合、周囲の歯を押しながら生えてきます。そのため、矯正治療後に親知らずが生えてくると、歯列が乱れる原因になります。

特に、親知らずが傾いて生えてくると、他の歯を押し出して歯並びが崩れることがあります。矯正後の後戻りを防ぐために、必要に応じて親知らずの抜歯を検討することも大切です。

4. 部分矯正では対応しきれないケースだった

部分矯正では、前歯の両サイドを少し削ってスペースを作ることで歯を移動させます。しかし、スペースが十分でない場合や、出っ歯や受け口の程度が重い場合は、部分矯正では理想的な歯並びを維持するのが難しくなります。

無理に部分矯正で治療を行うと、最初は歯並びがきれいに見えても、時間の経過とともに歯列が乱れたり、出っ歯が悪化したりすることがあります。そのため、矯正前の診断がとても重要になります。

まとめ

矯正治療後の後戻りは、適切な保定を行わなかったり、舌癖や歯ぎしりなどの習慣が残っていたりすることで起こります。また、親知らずの影響や、部分矯正では対応しきれないケースも後戻りの原因になります。

後戻りを防ぐためには、リテーナーの装着をしっかり行い、悪習慣を改善することが重要です。さらに、矯正前に適切な治療計画を立てることで、より安定した歯並びを維持しやすくなります。

矯正治療後も、定期的に歯科医師のチェックを受けながら、きれいな歯並びをキープしましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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