COCOブログ

2024.04.25更新

ほうれい線と歯並びは関係がある?

ほうれい線は、歯並びと直接的な関係はありません。しかし、中には歯並びや噛み合わせの問題によって、年齢に関わらずほうれい線が目立ってしまうことがあります。
例えば、噛み合わせが悪い重度の出っ歯や受け口などの不正咬合の場合、咀嚼がうまくできないことから、食事の際に十分に噛まない癖が定着してしまいがちです。
咀嚼をあまりしないことで、頬骨に繋がっている咬筋が衰え、頬のたるみやほうれい線が強調される可能性があるとされています。 また、ほとんどの不正咬合で見られる口呼吸もほうれい線に繋がることがあります。口を開けた状態での呼吸が続くと、唇を閉じる時に働く「口輪筋(こうりんきん)」という筋肉が衰えてしまいます。口輪筋は、頬筋などの表情筋と繋がっている重要な筋肉です。この口輪筋が衰えることで、皮膚がたるんでほうれい線が目立ったり、口角が下がったりするリスクがあるのです。

ほうれい線が目立ちやすい歯並び
噛み合わせに関係なく、ほうれい線が目立ちやすいとされている歯並びは、主に上の前歯が前方に突出している重度の出っ歯(上顎前突)と、上下の歯が前方に突出している口ゴボ(上下顎前突)です。
出っ歯や口ゴボは、上顎の歯列が前方に突き出ています。これにより、鼻の下である人中から上唇が皮膚ごと前に押し出されるため、境目となるシワが強調されてほうれい線が目立ちやすくなるのです。
ほうれい線は加齢や生活習慣によっても深くなりますが、出っ歯や口ゴボのような、ほうれい線付近の脂肪や皮膚などの組織に影響を与える歯並びの場合、それがより目立つ可能性があります。

歯列矯正でほうれい線が改善される?
歯列矯正がほうれい線の改善に効果があるかどうかについては、明確な科学的根拠はありません。ほうれい線の形成は、歯並びだけでなく、顔の筋肉の使い方や皮膚の老化など、さまざまな要因によって引き起こされるためです。
ただ、顔のバランスや筋肉の使い方に悪影響を与える不正咬合の場合、歯列矯正によって噛み合わせや歯列を改善することで、ほうれい線の見た目に一定の改善が見られることがあります。これは、表情筋や咀嚼筋などの顔の筋肉が、治療によって正常に機能するようになるためです。
前者の表情筋は、笑顔や口角を上げるなどの動作に使われる筋肉です。表情筋が使われていないと、顔の皮膚が引き締まりにくくなり、特に目元のシワや口元のほうれい線が目立ちやすくなります。
一方、咀嚼筋は主に食べ物を咀嚼する際に使われる筋肉です。この咀嚼筋が衰えることによって頬がたるみやすくなり、ほうれい線の原因になることがあります。
矯正治療は歯列を綺麗に並べた上で、しっかりと噛むことができるようにする治療です。よって、治療後は歯並びが良くなったことで笑顔が増えたり、噛み合わせの改善で食べ物をしっかり噛むことができたりすることも多いため、上記の表情筋や咀嚼筋が適切に働くようになることがあります。
つまり、矯正治療によって顔の筋肉が正常に機能することで、ほうれい線の目立ちやすさが軽減されるケースもあるということです。
しかし、ほうれい線の改善には個人差があり、歯列矯正が直接的な効果を持つわけではありません。いずれにしろ、「矯正治療でほうれい線が消えたり、劇的に改善されたりしない」ということは頭に入れておきましょう。
ほうれい線の改善を目的として歯列矯正を考えている場合には、矯正治療だけでなく、皮膚のケアや美容整形なども一緒に検討することをおすすめします。
ほうれい線を第一に治したいと考えている方に最も重要なのは、自身の状態や希望に合った治療法を専門家と相談し、適切な方法を見つけることです。

反対に矯正治療でほうれい線が濃くなることは?
一般的に、矯正治療によってほうれい線が濃くなるということはありません。歯列矯正は、主に歯並びや噛み合わせの改善を行う治療であり、ほうれい線に直接的な影響を及ぼすものではないためです。
ただし、治療方法によっては治療前よりもほうれい線が目立つように見えるケースもあります。
例えば、前歯を下げる必要のない方が抜歯矯正をした場合、歯を後退させすぎてしまうことで口元が過度に引っ込み、老けた印象になることがあるのです。ただ、治療前の適切な治療計画によってこのリスクは回避できるため、抜歯矯正だからと言って必ずしも起こることではありません。
また、まれにですが突出していた上の前歯を正常な位置に下げると、これまであまり目立っていなかったほうれい線がはっきりとするケースもあります。しかし、この場合は口元の出っ張りにより目立ちにくかったほうれい線が、出っ歯を解消したことで本来の姿に戻っただけと考えられるため、矯正治療によって形成されたとは言えません。 このように、歯列矯正は通常ほうれい線に直接的な影響を与えるものではないものの、治療方法や個人の状況によって口元の見た目が変わることがあります。よって、矯正治療をする際には、適切な治療計画と矯正医のアドバイスを受けることが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.04.18更新

マウスピースの違和感はいつまで続く?

近年人気のインビザライン矯正。
「矯正用のマウスピースを着けはじめたけれど、なんだか違和感があるな…」
「この違和感はいつまで続くのかな…」
マウスピース矯正(インビザライン)を始めてみると、マウスピースの装着中に違和感を生じることがあります。原因がわからずに、心配になってしまう方もいらっしゃると思います。
でもご安心ください。
マウスピース装着中の違和感は、異常があるわけではなく、矯正で歯に力をかけていることにともなう自然なものであることがほとんどです。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感はいつまで続く?
マウスピース矯正を始めたばかりで、痛みや違和感があって心配になり、この記事にたどりつかれた方もいらっしゃることと思います。
マウスピースを着けているときの痛みや違和感は、いつまで続くのでしょうか?
あまりに長く続くようだと、矯正を最後までがんばれるかどうか不安になってしまいますよね。
でも、基本的には心配いりません。
マウスピース矯正中ずっと痛みや違和感が続くということは、治療が順調に進んでいればまずありません。
違和感や痛みを覚えやすいのは、主に下記のタイミングです。

初めてマウスピースを装着したとき
初めてマウスピースを装着したばかりのときは、マウスピースで歯を圧迫されることに対して、痛みや違和感を覚えられる方が大半です。
しかしながら、初めての装着から3日~1週間もすれば慣れてきて、違和感も痛みもだんだんとなくなっていきます。
その後は、締め付け感程度の感覚となり、気にせずに過ごせるようになる方がほとんどです。
ただ、もちろん、もともとの歯並びの程度や、お口の中の感覚は人それぞれですので、個人差はあります。
もし、1週間以上経っても痛みや違和感がつづき、気になって生活に支障が出てしまうようなら、マウスピースの形状や治療計画に、何か問題があるかもしれません。遠慮なくクリニックに相談してみましょう。

新しいマウスピースに交換したとき
マウスピース矯正では、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。新しいマウスピースに交換した直後の2~3日程度の間は、新しいマウスピースの形と今の歯並びとにまだ差があるため、違和感や痛みが生じます。
歯並びがマウスピースの形に合わせて動いてくれば落ち着きますので、そのまま装着をつづけてみましょう。
何日経っても違和感が続く場合は、当初の治療計画と実際の歯の動きにズレが出ている場合もありますので、ドクターに相談しましょう。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感の原因
マウスピース矯正では、最初の数日~1週間程度は違和感や痛みが生じるのは自然なことです。
しかしながら、矯正を始めてしばらく経ってからでも、違和感を生じるタイミングはあります。
マウスピース矯正の途中で感じる違和感について、よくある原因を解説します。

長時間マウスピースを外していたから
マウスピース矯正では、1日22時間以上マウスピースを装着する必要があります。歯に継続的な力をかけることによって歯を動かしていくためです。
マウスピースを時間通り装着できていないと、歯は簡単には動かないどころか、もとの位置に戻ろうとしてしまいます。
そのため、着け忘れて寝てしまったり、外したまま何時間も過ごしたりすると、その間に歯並びが後戻りをはじめてしまい、次にマウスピースを嵌めたときに違和感がある場合があります。
数日嵌めていれば、また歯が動いてきて違和感がなくなることがほとんどですが、もし違和感が続くようなら、後戻りがかなり進んでいる可能性もあります。
治療計画は、毎日22時間マウスピースを装着することを前提として作成されています。後戻りが進んでしまうと、治療のペースや方向性を変える必要が出てくる場合があるので、自己判断せず、長時間外していた時間があったことを正直にドクターに伝えましょう。
何よりも、そうならないために1日22時間以上の装着時間を守ることが大原則です。

マウスピースに厚みがあるから
マウスピース矯正中に、「噛み合わせが合っていないような気がして、違和感がある」という患者様がいらっしゃいます。
この感覚は、「マウスピースの厚さ」によるものであることが多いです。
マウスピースを装着している状態では、上下の歯が直接触れ合わずに、間にマウスピースの厚みを挟んだ状態でかみ合っています。
インビザラインの場合、厚さは約0.5mmで、上下のマウスピースを合わせると約1mm分もの厚みを挟んでかみ合うこととなります。矯正する前に比べて、違和感を覚える方もいらっしゃるのは当然のことです。
ただ、この違和感は、矯正が進んで歯が動くにつれて解消されていく場合がほとんどです。
もし、噛み合わせの違和感が長くつづいたり、不安がある場合は、ドクターに相談しましょう。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感への対処法
マウスピース矯正の違和感には、自分で対処できるケースも多々あります。
違和感を覚えたときには、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。

マウスピース矯正を始めたばかりの違和感への対処法
マウスピース矯正を始めてすぐの違和感の大半は、まだマウスピースを着けていることに慣れていないためのものです。
そのため、3日~1週間ほどして慣れてくれば、自然と違和感はなくなっていきます。
マウスピースがしっかりと嵌まっていないとより違和感を生じやすいので、チューイーを使って、しっかりと浮きなくマウスピースを嵌めこみましょう。
チューイーを使ってもマウスピースがしっかり嵌まっていない気がする場合や、違和感が長く続く場合は、ドクターに相談しましょう。

新しいマウスピースに交換したときの違和感への対処法
マウスピース矯正では、1~2週間ごとに少しずつ形の異なるマウスピースに交換していくことで、歯を動かしていきます。
交換した直後は、新しいマウスピースの形と現在の歯並びとの差が大きいため、締め付けられている違和感や痛みを感じるものです。数日かけて歯が動いてくれば、違和感はなくなっていきます。
もし耐えられないほどの違和感や痛みがある場合は、歯並びがまだ新しいマウスピースを嵌められる状態にまで動ききっていない場合もあります。
一旦、1つ前のマウスピースに戻してみて、数日経ってからあらためて交換してみると、すんなりと嵌まることも多いです。
そんなときに備えて、1つ前のマウスピースは捨てずに必ず取っておきましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.04.10更新

歯ぎしりと食いしばりの違い

歯ぎしりとは上下の歯を側方にすり合わせることによってギリギリと音がでるもので、「グライディング」といいます。一方、食いしばりとは、上下の歯を強く噛み締めるのみで音がしないもので、「クレンチング」といいます。両方が混在するタイプの方もいらっしゃいます。

歯ぎしり・食いしばりの機序は?
歯ぎしりや食いしばりは日中と夜間で性質が変わってきます。日中に起こるのはクセによるものが大きいです(覚醒時ブラキシズム)。したがってその習癖に気づき、意識して改善しようと試みることが可能です。しかしながら夜間に起こるものは意識のコントロールで止めることは困難です(睡眠時ブラキシズム)。
通常、歯の組織(歯根膜)には咬合力を感知するセンサー(圧受容器)が存在し、強い力が加わると反射的に口が開く開口反射が備わっています。しかし、睡眠中はこの反射機構が抑制されてしまいます。そのため、日中の咬合力はご自身の体重程度と言われていますが、夜間の食いしばり時にはその2~5倍(体重60kgの方であればその5倍ですとなんと300kg…! )になると言われています。

歯ぎしり・食いしばりの原因は?
明確な原因ははっきりとしていません。精神的ストレス、歯並び、噛みしめぐせ、飲酒、喫煙、遺伝などによるのではないかと考えられています。夜間の歯ぎしり・食いしばりは眠りが浅くなっているときに起こることが明らかになっています。

歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック項目
歯ぎしり・食いしばりをされている方の多くは無自覚です。歯科にかかった際に歯ぎしりを指摘されて、初めて自覚したという方も多いと思います。歯科医院ではいくつかの所見から歯ぎしり・食いしばりを推測しています。ご自身でもチェック可能な項目もありますのでぜひ一度お口の中を覗いてみましょう。

・歯のすり減り・破折線
歯の先が平らになって形が変わっていませんか。これは「咬耗」と呼ばれ、噛み合わせが強いことで歯の表面のエナメル質が摩耗することによって起こります。エナメル質は全身の中でもっとも硬い組織です。そのエナメル質がすり減るというのは相当な力が加わっていると考えられます。また強い咬合力によって歯に亀裂(透明な縦線)が入ってしまうこともあります。

・骨の隆起
お口の内側にボコボコとしたコブのような固い膨らみはありませんか。これは骨隆起です。上顎にあれば口蓋隆起、下顎にあれば下顎隆起と呼ばれます。強い咬合力が加わることによって骨が過剰に発達してしまいます。

・歯の根元の欠けや歯肉退縮による知覚過敏
歯の根元が欠けていませんか。くさび状欠損と呼ばれます。歯に強い力が加わり、根元に負荷がかかりエナメル質がバリバリと欠けてしまうことによって起こります。また強い力が加わることで歯肉が下がってしまいます。これらによって知覚過敏の症状が出ることがあります。

・歯の浮遊感・動揺
歯を支える組織には歯根膜や歯槽骨があります。歯根膜は歯と歯槽骨をつなぐ組織で圧力を感知する役割があります。歯ぎしりや食いしばりによって歯根膜が炎症を起こす(歯根膜炎)と歯が浮いたような違和感を感じときに痛みを伴います。また歯槽骨にも慢性的に強い力が加わり続けると骨が痩せてしまい、歯がぐらついてきます(咬合性外傷)。

・起床時の顎の違和感・慢性的な肩こり・頭痛
朝起きたとき顎の関節や筋肉、こめかみに違和感があることはありませんか。夜間に強い力で噛み締めることによって顎関節や咬筋、側頭筋という閉口筋に負担がかかります。筋肉への負荷は肩こりや頭痛の原因にもなります。また顎関節症を併発する場合があります。

・頬粘膜に咬んだ痕がある
起床時に頬の内側の粘膜を咬んでしまっている、あるいは白っぽい咬んだ痕はありませんか。この頬粘膜の圧痕も歯ぎしりをしている方特有の所見となります。

歯ぎしり・食いしばりの治療とは?
歯ぎしり・食いしばりの原因は上記で述べたようにいくつか考えられていますが不明のままです。したがって治療は対症療法が一般的です。症状がこれ以上進行しないようにすることが目的です。
(1)スプリント療法
寝ている間にナイトガードと呼ばれるマウスピースを上顎に装着します。当院ではゴム製で柔らかいもの(ソフト)とプラスチック製で固いもの(ハード)の二種類をご用意しております。どちらも厚みは薄いものを採用しております。ナイトガードを緩衝材にすることによって、騒音や歯の擦り減りを防ぎます。
(2)エラボトックス注射療法(保険適応外)
ボトックス注射とはA型ボツリヌス毒素(天然タンパク質)による筋弛緩作用を利用して、発達した筋肉を緩める治療です。肥大化した咬筋(エラ)にボトックス注射をすることで慢性的な歯ぎしり・食いしばりを改善することがきます。
エラボトックス注射後はおよそ2週間で効果がピークになります。効果の持続期間は3~6ヶ月程度です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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