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2024.04.25更新

ほうれい線と歯並びは関係がある?

ほうれい線は、歯並びと直接的な関係はありません。しかし、中には歯並びや噛み合わせの問題によって、年齢に関わらずほうれい線が目立ってしまうことがあります。
例えば、噛み合わせが悪い重度の出っ歯や受け口などの不正咬合の場合、咀嚼がうまくできないことから、食事の際に十分に噛まない癖が定着してしまいがちです。
咀嚼をあまりしないことで、頬骨に繋がっている咬筋が衰え、頬のたるみやほうれい線が強調される可能性があるとされています。 また、ほとんどの不正咬合で見られる口呼吸もほうれい線に繋がることがあります。口を開けた状態での呼吸が続くと、唇を閉じる時に働く「口輪筋(こうりんきん)」という筋肉が衰えてしまいます。口輪筋は、頬筋などの表情筋と繋がっている重要な筋肉です。この口輪筋が衰えることで、皮膚がたるんでほうれい線が目立ったり、口角が下がったりするリスクがあるのです。

ほうれい線が目立ちやすい歯並び
噛み合わせに関係なく、ほうれい線が目立ちやすいとされている歯並びは、主に上の前歯が前方に突出している重度の出っ歯(上顎前突)と、上下の歯が前方に突出している口ゴボ(上下顎前突)です。
出っ歯や口ゴボは、上顎の歯列が前方に突き出ています。これにより、鼻の下である人中から上唇が皮膚ごと前に押し出されるため、境目となるシワが強調されてほうれい線が目立ちやすくなるのです。
ほうれい線は加齢や生活習慣によっても深くなりますが、出っ歯や口ゴボのような、ほうれい線付近の脂肪や皮膚などの組織に影響を与える歯並びの場合、それがより目立つ可能性があります。

歯列矯正でほうれい線が改善される?
歯列矯正がほうれい線の改善に効果があるかどうかについては、明確な科学的根拠はありません。ほうれい線の形成は、歯並びだけでなく、顔の筋肉の使い方や皮膚の老化など、さまざまな要因によって引き起こされるためです。
ただ、顔のバランスや筋肉の使い方に悪影響を与える不正咬合の場合、歯列矯正によって噛み合わせや歯列を改善することで、ほうれい線の見た目に一定の改善が見られることがあります。これは、表情筋や咀嚼筋などの顔の筋肉が、治療によって正常に機能するようになるためです。
前者の表情筋は、笑顔や口角を上げるなどの動作に使われる筋肉です。表情筋が使われていないと、顔の皮膚が引き締まりにくくなり、特に目元のシワや口元のほうれい線が目立ちやすくなります。
一方、咀嚼筋は主に食べ物を咀嚼する際に使われる筋肉です。この咀嚼筋が衰えることによって頬がたるみやすくなり、ほうれい線の原因になることがあります。
矯正治療は歯列を綺麗に並べた上で、しっかりと噛むことができるようにする治療です。よって、治療後は歯並びが良くなったことで笑顔が増えたり、噛み合わせの改善で食べ物をしっかり噛むことができたりすることも多いため、上記の表情筋や咀嚼筋が適切に働くようになることがあります。
つまり、矯正治療によって顔の筋肉が正常に機能することで、ほうれい線の目立ちやすさが軽減されるケースもあるということです。
しかし、ほうれい線の改善には個人差があり、歯列矯正が直接的な効果を持つわけではありません。いずれにしろ、「矯正治療でほうれい線が消えたり、劇的に改善されたりしない」ということは頭に入れておきましょう。
ほうれい線の改善を目的として歯列矯正を考えている場合には、矯正治療だけでなく、皮膚のケアや美容整形なども一緒に検討することをおすすめします。
ほうれい線を第一に治したいと考えている方に最も重要なのは、自身の状態や希望に合った治療法を専門家と相談し、適切な方法を見つけることです。

反対に矯正治療でほうれい線が濃くなることは?
一般的に、矯正治療によってほうれい線が濃くなるということはありません。歯列矯正は、主に歯並びや噛み合わせの改善を行う治療であり、ほうれい線に直接的な影響を及ぼすものではないためです。
ただし、治療方法によっては治療前よりもほうれい線が目立つように見えるケースもあります。
例えば、前歯を下げる必要のない方が抜歯矯正をした場合、歯を後退させすぎてしまうことで口元が過度に引っ込み、老けた印象になることがあるのです。ただ、治療前の適切な治療計画によってこのリスクは回避できるため、抜歯矯正だからと言って必ずしも起こることではありません。
また、まれにですが突出していた上の前歯を正常な位置に下げると、これまであまり目立っていなかったほうれい線がはっきりとするケースもあります。しかし、この場合は口元の出っ張りにより目立ちにくかったほうれい線が、出っ歯を解消したことで本来の姿に戻っただけと考えられるため、矯正治療によって形成されたとは言えません。 このように、歯列矯正は通常ほうれい線に直接的な影響を与えるものではないものの、治療方法や個人の状況によって口元の見た目が変わることがあります。よって、矯正治療をする際には、適切な治療計画と矯正医のアドバイスを受けることが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.04.18更新

マウスピースの違和感はいつまで続く?

近年人気のインビザライン矯正。
「矯正用のマウスピースを着けはじめたけれど、なんだか違和感があるな…」
「この違和感はいつまで続くのかな…」
マウスピース矯正(インビザライン)を始めてみると、マウスピースの装着中に違和感を生じることがあります。原因がわからずに、心配になってしまう方もいらっしゃると思います。
でもご安心ください。
マウスピース装着中の違和感は、異常があるわけではなく、矯正で歯に力をかけていることにともなう自然なものであることがほとんどです。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感はいつまで続く?
マウスピース矯正を始めたばかりで、痛みや違和感があって心配になり、この記事にたどりつかれた方もいらっしゃることと思います。
マウスピースを着けているときの痛みや違和感は、いつまで続くのでしょうか?
あまりに長く続くようだと、矯正を最後までがんばれるかどうか不安になってしまいますよね。
でも、基本的には心配いりません。
マウスピース矯正中ずっと痛みや違和感が続くということは、治療が順調に進んでいればまずありません。
違和感や痛みを覚えやすいのは、主に下記のタイミングです。

初めてマウスピースを装着したとき
初めてマウスピースを装着したばかりのときは、マウスピースで歯を圧迫されることに対して、痛みや違和感を覚えられる方が大半です。
しかしながら、初めての装着から3日~1週間もすれば慣れてきて、違和感も痛みもだんだんとなくなっていきます。
その後は、締め付け感程度の感覚となり、気にせずに過ごせるようになる方がほとんどです。
ただ、もちろん、もともとの歯並びの程度や、お口の中の感覚は人それぞれですので、個人差はあります。
もし、1週間以上経っても痛みや違和感がつづき、気になって生活に支障が出てしまうようなら、マウスピースの形状や治療計画に、何か問題があるかもしれません。遠慮なくクリニックに相談してみましょう。

新しいマウスピースに交換したとき
マウスピース矯正では、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。新しいマウスピースに交換した直後の2~3日程度の間は、新しいマウスピースの形と今の歯並びとにまだ差があるため、違和感や痛みが生じます。
歯並びがマウスピースの形に合わせて動いてくれば落ち着きますので、そのまま装着をつづけてみましょう。
何日経っても違和感が続く場合は、当初の治療計画と実際の歯の動きにズレが出ている場合もありますので、ドクターに相談しましょう。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感の原因
マウスピース矯正では、最初の数日~1週間程度は違和感や痛みが生じるのは自然なことです。
しかしながら、矯正を始めてしばらく経ってからでも、違和感を生じるタイミングはあります。
マウスピース矯正の途中で感じる違和感について、よくある原因を解説します。

長時間マウスピースを外していたから
マウスピース矯正では、1日22時間以上マウスピースを装着する必要があります。歯に継続的な力をかけることによって歯を動かしていくためです。
マウスピースを時間通り装着できていないと、歯は簡単には動かないどころか、もとの位置に戻ろうとしてしまいます。
そのため、着け忘れて寝てしまったり、外したまま何時間も過ごしたりすると、その間に歯並びが後戻りをはじめてしまい、次にマウスピースを嵌めたときに違和感がある場合があります。
数日嵌めていれば、また歯が動いてきて違和感がなくなることがほとんどですが、もし違和感が続くようなら、後戻りがかなり進んでいる可能性もあります。
治療計画は、毎日22時間マウスピースを装着することを前提として作成されています。後戻りが進んでしまうと、治療のペースや方向性を変える必要が出てくる場合があるので、自己判断せず、長時間外していた時間があったことを正直にドクターに伝えましょう。
何よりも、そうならないために1日22時間以上の装着時間を守ることが大原則です。

マウスピースに厚みがあるから
マウスピース矯正中に、「噛み合わせが合っていないような気がして、違和感がある」という患者様がいらっしゃいます。
この感覚は、「マウスピースの厚さ」によるものであることが多いです。
マウスピースを装着している状態では、上下の歯が直接触れ合わずに、間にマウスピースの厚みを挟んだ状態でかみ合っています。
インビザラインの場合、厚さは約0.5mmで、上下のマウスピースを合わせると約1mm分もの厚みを挟んでかみ合うこととなります。矯正する前に比べて、違和感を覚える方もいらっしゃるのは当然のことです。
ただ、この違和感は、矯正が進んで歯が動くにつれて解消されていく場合がほとんどです。
もし、噛み合わせの違和感が長くつづいたり、不安がある場合は、ドクターに相談しましょう。

マウスピース矯正(インビザライン)の違和感への対処法
マウスピース矯正の違和感には、自分で対処できるケースも多々あります。
違和感を覚えたときには、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。

マウスピース矯正を始めたばかりの違和感への対処法
マウスピース矯正を始めてすぐの違和感の大半は、まだマウスピースを着けていることに慣れていないためのものです。
そのため、3日~1週間ほどして慣れてくれば、自然と違和感はなくなっていきます。
マウスピースがしっかりと嵌まっていないとより違和感を生じやすいので、チューイーを使って、しっかりと浮きなくマウスピースを嵌めこみましょう。
チューイーを使ってもマウスピースがしっかり嵌まっていない気がする場合や、違和感が長く続く場合は、ドクターに相談しましょう。

新しいマウスピースに交換したときの違和感への対処法
マウスピース矯正では、1~2週間ごとに少しずつ形の異なるマウスピースに交換していくことで、歯を動かしていきます。
交換した直後は、新しいマウスピースの形と現在の歯並びとの差が大きいため、締め付けられている違和感や痛みを感じるものです。数日かけて歯が動いてくれば、違和感はなくなっていきます。
もし耐えられないほどの違和感や痛みがある場合は、歯並びがまだ新しいマウスピースを嵌められる状態にまで動ききっていない場合もあります。
一旦、1つ前のマウスピースに戻してみて、数日経ってからあらためて交換してみると、すんなりと嵌まることも多いです。
そんなときに備えて、1つ前のマウスピースは捨てずに必ず取っておきましょう。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.04.10更新

歯ぎしりと食いしばりの違い

歯ぎしりとは上下の歯を側方にすり合わせることによってギリギリと音がでるもので、「グライディング」といいます。一方、食いしばりとは、上下の歯を強く噛み締めるのみで音がしないもので、「クレンチング」といいます。両方が混在するタイプの方もいらっしゃいます。

歯ぎしり・食いしばりの機序は?
歯ぎしりや食いしばりは日中と夜間で性質が変わってきます。日中に起こるのはクセによるものが大きいです(覚醒時ブラキシズム)。したがってその習癖に気づき、意識して改善しようと試みることが可能です。しかしながら夜間に起こるものは意識のコントロールで止めることは困難です(睡眠時ブラキシズム)。
通常、歯の組織(歯根膜)には咬合力を感知するセンサー(圧受容器)が存在し、強い力が加わると反射的に口が開く開口反射が備わっています。しかし、睡眠中はこの反射機構が抑制されてしまいます。そのため、日中の咬合力はご自身の体重程度と言われていますが、夜間の食いしばり時にはその2~5倍(体重60kgの方であればその5倍ですとなんと300kg…! )になると言われています。

歯ぎしり・食いしばりの原因は?
明確な原因ははっきりとしていません。精神的ストレス、歯並び、噛みしめぐせ、飲酒、喫煙、遺伝などによるのではないかと考えられています。夜間の歯ぎしり・食いしばりは眠りが浅くなっているときに起こることが明らかになっています。

歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック項目
歯ぎしり・食いしばりをされている方の多くは無自覚です。歯科にかかった際に歯ぎしりを指摘されて、初めて自覚したという方も多いと思います。歯科医院ではいくつかの所見から歯ぎしり・食いしばりを推測しています。ご自身でもチェック可能な項目もありますのでぜひ一度お口の中を覗いてみましょう。

・歯のすり減り・破折線
歯の先が平らになって形が変わっていませんか。これは「咬耗」と呼ばれ、噛み合わせが強いことで歯の表面のエナメル質が摩耗することによって起こります。エナメル質は全身の中でもっとも硬い組織です。そのエナメル質がすり減るというのは相当な力が加わっていると考えられます。また強い咬合力によって歯に亀裂(透明な縦線)が入ってしまうこともあります。

・骨の隆起
お口の内側にボコボコとしたコブのような固い膨らみはありませんか。これは骨隆起です。上顎にあれば口蓋隆起、下顎にあれば下顎隆起と呼ばれます。強い咬合力が加わることによって骨が過剰に発達してしまいます。

・歯の根元の欠けや歯肉退縮による知覚過敏
歯の根元が欠けていませんか。くさび状欠損と呼ばれます。歯に強い力が加わり、根元に負荷がかかりエナメル質がバリバリと欠けてしまうことによって起こります。また強い力が加わることで歯肉が下がってしまいます。これらによって知覚過敏の症状が出ることがあります。

・歯の浮遊感・動揺
歯を支える組織には歯根膜や歯槽骨があります。歯根膜は歯と歯槽骨をつなぐ組織で圧力を感知する役割があります。歯ぎしりや食いしばりによって歯根膜が炎症を起こす(歯根膜炎)と歯が浮いたような違和感を感じときに痛みを伴います。また歯槽骨にも慢性的に強い力が加わり続けると骨が痩せてしまい、歯がぐらついてきます(咬合性外傷)。

・起床時の顎の違和感・慢性的な肩こり・頭痛
朝起きたとき顎の関節や筋肉、こめかみに違和感があることはありませんか。夜間に強い力で噛み締めることによって顎関節や咬筋、側頭筋という閉口筋に負担がかかります。筋肉への負荷は肩こりや頭痛の原因にもなります。また顎関節症を併発する場合があります。

・頬粘膜に咬んだ痕がある
起床時に頬の内側の粘膜を咬んでしまっている、あるいは白っぽい咬んだ痕はありませんか。この頬粘膜の圧痕も歯ぎしりをしている方特有の所見となります。

歯ぎしり・食いしばりの治療とは?
歯ぎしり・食いしばりの原因は上記で述べたようにいくつか考えられていますが不明のままです。したがって治療は対症療法が一般的です。症状がこれ以上進行しないようにすることが目的です。
(1)スプリント療法
寝ている間にナイトガードと呼ばれるマウスピースを上顎に装着します。当院ではゴム製で柔らかいもの(ソフト)とプラスチック製で固いもの(ハード)の二種類をご用意しております。どちらも厚みは薄いものを採用しております。ナイトガードを緩衝材にすることによって、騒音や歯の擦り減りを防ぎます。
(2)エラボトックス注射療法(保険適応外)
ボトックス注射とはA型ボツリヌス毒素(天然タンパク質)による筋弛緩作用を利用して、発達した筋肉を緩める治療です。肥大化した咬筋(エラ)にボトックス注射をすることで慢性的な歯ぎしり・食いしばりを改善することがきます。
エラボトックス注射後はおよそ2週間で効果がピークになります。効果の持続期間は3~6ヶ月程度です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.03.29更新

小児矯正は意味がないって本当?

「小児矯正はしても意味がないって本当?」
「小児矯正が意味ないって言われている理由はなに?」
このような疑問を抱えていませんか?子どもの歯の健康を考えて早めに矯正治療を行おうとしていた所に「小児矯正は意味がない」との情報が舞い込んできたら、困惑してしまいますよね。
小児矯正は、少し複雑でややこしい一面があります。そのため、巷で色々な情報が錯綜してしまっているようです。

子どもの矯正治療には一期治療と二期治療の2種類あります
小児矯正に意味があるかどうかを解説する前に、まず小児矯正そのものを少し解説させてください。なぜなら、小児矯正と一口に言っても、実は小児矯正は以下の2種類の治療法に分かれるからです。
一期治療(早期治療)
二期治療
「一期治療と二期治療という言葉を初めて聞いた…」
「小児矯正は意味がないという情報は、一期治療のことを言ってる?それとも二期治療のこと?」
このような疑問が湧いてきたのではないでしょうか。小児矯正は、上記のように2種類に分かれていて少し複雑なため、きちんと理解できている方は多くありません。せっかくの機会なので、ここで一期治療と二期治療について明確に理解していきましょう。一期治療と二期治療について、以下でそれぞれ分かりやすく解説するので、ぜひ併せてご覧ください。

一期治療とは:乳歯と永久歯が混在している時期に行う矯正
一期治療とは、4歳~12歳頃までに開始する矯正治療です。早期治療とも呼びます。子どもの歯(乳歯)と大人の歯(永久歯)が混ざり合っている時期に行うことが大きな特徴です。
一期治療の目的は、永久歯を並べる器の準備、つまり、歯の土台であるあごの骨(歯槽骨)の成長を促進させることです。永久歯は、上あご・下あごそれぞれ全部で14本~16本生えてきます。それにも関わらず、歯の土台が歯10本分しか並べられない小さなサイズだったらどうでしょうか?当然、すべての歯が綺麗に並ぶことはできませんよね。複数の歯が重なり合ってしまって、ガタガタな歯並びになってしまう可能性が高くなります。
そうならないために、あごの適切な成長を促すのが一期治療です。具体的には、拡大床と呼ばれる矯正器具などを用いてあごを正常な幅まで拡げていきます。

二期治療とは:永久歯が生えそろってから行う矯正
一方で、二期治療とは、大体12歳以降に開始する矯正治療のことを指します。永久歯が生えそろった後に行うことが大きな特徴です。
二期治療の目的は、生えそろった永久歯を綺麗に並べることです。一般の歯列矯正とほぼ同じと考えて問題ありません。使用する矯正装置も成人が使用するものと同じで、マルチブラケット(ワイヤー装置)やマウスピース型矯正装置を装着します。
身体はまだまだ成長過程にある中高生でも、上あごに関しては男女ともに10歳頃までに殆ど大きさが決まります。そのため、二期治療では、上あごの成長を利用した矯正治療は基本的にできません。これが、一期治療との大きな違いです。

一期治療は意味がない?混合歯列期に行う矯正治療は意味がないと思われてしまう理由
上記で、一期治療と二期治療それぞれの目的の違いを解説しました。ここからが、本題です。勘の良い方ならすでにお気づきかもしれません。「小児矯正は意味がない」という情報は、一期治療のことを指しています。乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行う一期治療は、意味がないと思われがちなのです。その理由は、以下の通りです。
一期治療を行っても、永久歯に生え変わった後に二期治療が必要になったら二度手間のように感じるから
結局のところ二期治療も行うなら、治療期間が無駄に延びるだけのように感じるから
一期治療のみで矯正治療が完了するお子さまもいらっしゃることは、いらっしゃいます。しかし、殆どのお子さまが永久歯が生えそろった後に二期治療へ移行することが多いです。それは、どれだけ一期治療を頑張っても、永久歯が最初から綺麗に並んで生えてきてくれるということは稀だからです。
こう聞くと「じゃあ、やっぱり一期治療の意味ってないのでは…」と思われるかもしれませんね。しかし、一期治療は、必要なお子さまが必要なタイミングで行えば、非常に意味のある治療なのです。

抜歯する確率が下がる!一期治療を行う3つの大きなメリット
一期治療は、あごの成長をコントロールできるという大きなメリットがあります。しかし、一期治療を行うメリットはそれだけではありません。ここからは、一期治療を行う他の大きなメリットについて解説します。
一期治療を行う大きなメリットは、以下3点です。

二期治療の負担を減らせる
一期治療を行う大きなメリットのひとつは、二期治療の負担を減らせることです。一期治療で完了せず二期治療に移行したとしても、二期治療から矯正治療を開始するお子さまに比べれば短い治療期間で終えられる可能性があります。
それだけでなく、一期治療で永久歯の土台となるあごの骨(歯槽骨)を正常な幅まで拡大しているので、新たにスペースを作り出すために抜歯をする可能性が低いです。つまり、一期治療を行っておくことで、健康な歯を失わずに済む可能性が高くなるわけですね。
また、骨格異常による下顎前突(受け口やしゃくれ)や上顎前突(出っ歯)は、一期治療であごの成長をコントロールしておくことで、あごの骨を切るなどの外科手術を回避できる可能性も高くなります。

口腔習癖の改善が見込める
一期治療を行うと、口腔習癖の改善も見込めます。口腔習癖とは、指しゃぶりや口呼吸など、歯並びだけでなく全身の健康に悪影響を及ぼすお口周りの癖のことです。指しゃぶりや口呼吸は、上顎前突(出っ歯)やオープンバイト(開咬)などさまざまな不正咬合の原因になります。
そのため、一期治療ではあごの発育のコントロールのみならず、必要であればお口周りや舌の筋肉のトレーニングも行います。適応能力が高い幼少期にトレーニングすることで、比較的簡単に悪癖を絶てます。大人になってからでは、そうはいきません。
具体的には、プレオルソと呼ばれる上あご・下あご一体型のマウスピース型矯正装置を用いて、お口周りの筋肉を鍛えていきます。プレオルソは、対象年齢が4歳~7歳で、一期治療のタイミングにしかできない治療法です。

アトピーや口臭の改善が見込める
口呼吸から鼻呼吸に切り替えることで、アトピー性皮膚炎の改善が見込めます。口呼吸の場合は、空気中のウイルスや花粉をダイレクトに喉で受けてしまうため、アトピー性皮膚炎を引き起こしたり、風邪をひきやすくなってしまったりする可能性が高いです。しかし、鼻呼吸であれば、ウイルスや花粉は鼻の粘膜フィルターを通って、体内に直接取り込まれないため、種々の体調改善につながります。
そのほか、口臭の改善も見込めます。口臭の原因はさまざまですが、口内の乾きによって細菌が繫殖して口臭を発しているケースであれば、鼻呼吸を習得することで改善されやすいです。常に口を閉じておくことで、口内が乾きにくくなるからです。

一期治療が無駄になってしまう場合も?
一期治療はやみくもに始めればいいというわけではありません。無理に行ってしまうと、メリットではなくデメリットを被ってしまう可能性があるからです。そこで、ここからは一期治療を無理に行わない方が良いケースを解説します。
一期治療を無理に行わない方が良いケースは、以下の2つです。

ケース①:お子さまが歯列矯正に消極的な場合
お子さまが歯列矯正に消極的な場合は、無理に行わない方が良いです。お子さま自身が矯正治療の意味を理解できなかったり、お子さまの意思に反していたりすると、お子さまのストレスになりやすいからです。
また、お子さまの意思に反している場合は、お子さまが治療に非協力になってしまうこともあります。そうすると、せっかく早めの矯正治療を行っても、治療の効果を得られず、費用と時間の無駄になるリスクも伴うのです。
そのため、一期治療を検討する場合は、お子さまのお気持ちを無視せず、しっかりとコミュニケーションを図ることを忘れないでください。

ケース②:あごの自然な成長を待った方が良い場合
あごの自然な成長を待った方が良いケースも、一期治療を見送る場合があります。上記で解説したように、下顎前突(受け口やしゃくれ)や上顎前突(出っ歯)など幼少期の頃から骨格異常が見つかっている場合は、あごの成長をコントロールする一期治療が必要なケースが多いです。
しかし、特別に骨格異常がなく、あごの自然な成長を経過観察するだけで良い場合は注意してください。必要がないのに、あごの拡大を促す治療を行ってしまうと、歯列が広がり過ぎて噛みづらくなる危険性があります。
そのため、一期治療を行う前は必ず歯科で精密検査を行った上で、先を見据えた矯正方法を見極めることが重要です。初診相談であれば無料で行っている歯科が多いので、ぜひ積極的にご活用ください。お子さまが小学校に入学したタイミングで矯正相談を受けておくと、矯正方法の選択の幅が広がります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.03.22更新

歯列矯正は目立つから嫌?

「歯列矯正をしたいけれど目立つのは嫌だ…」
「歯並びが悪くて目立つのも嫌だけど、矯正中のワイヤーが目立つ見た目も辛い…」
歯列矯正を検討されている患者様から、このようなお声をいただくことは多々あります。歯列矯正というと、どうしても口を開けるとワイヤーが見える目立ちやすい状態を想像する方も多いかと思います。
実はそのイメージは昔のもので、現在では歯列矯正もさまざまな目立たない方法が開発されていることをご存知でしょうか?

透明または白色のブラケット+ホワイトワイヤー
一般的に矯正治療というと、歯の表側に銀色の留め具とワイヤーを装着した、特有の目立つ見た目を想像するかと思います。このような見た目の矯正装置を、表側矯正装置と呼んだりするのですが、表側矯正の装置には実は、透明または白色の装置もあります。
ホワイトブラケット、ホワイトワイヤーと呼ばれるこれらの装置は歯の色とよく馴染むため、通常の表側矯正装置よりも目立たずに矯正治療を行えます。
表側矯正装置はさまざまな矯正治療の方法の中でも、最も大きく歯を動かすことに長けており、歯並びが大きく乱れている方におすすめの治療法となります。

治療中の見た目
透明または白色のブラケット+ホワイトワイヤーで治療を行なった場合の見た目は、写真の通りです。はっきりと言ってしまえば、ある程度は見た目に矯正中だとわかってしまいます。
あくまでも表側のワイヤー矯正を従来よりも目立たずにできる、というものであって近くで見ても全くわからない、というわけではないのでその点は注意が必要です。
注意点
ホワイトワイヤーは白く塗装を施しているものがあり、使用中に塗装が剥げてくることがあります。塗装が剥げると本来の銀色が見えて目だってしまうので、注意が必要です。
またホワイトワイヤーは塗装を施している分、通常のワイヤーよりもわずかに太くなります。そのため通常のワイヤーと比べて歯にかかる圧力が少なくなり、治療期間が伸びてしまう可能性があります。

裏側矯正
最も一般的な矯正治療である表側矯正で使用する、ワイヤーと留め具を歯の裏側に装着することで、周囲から見えないように治療を行えるのが裏側矯正です。
裏側矯正は高い技術を求められるため、対応できる医院は少なくなりますが、表側矯正と同様にワイヤーの強い力で歯を動かすため、さまざまな症例に対応しやすいという強みもあります。
裏側矯正は、特に前歯の矯正治療や、出っ歯を引っ込めるような矯正治療を得意としています。
治療中の見た目
写真のように、歯の裏側に装置を装着するため、大きく口を開けたところを、真上や真下から覗き込まない限り、装置が目に触れることはほとんどありません。ごく自然な見た目を実現できると思ってよいでしょう。
注意点
裏側矯正は表側矯正で対応できる症例であれば、基本的にはほとんど全ての症例に対応が可能です。ただし、裏側矯正そのものが高い技術力を要する治療法のため、歯科医師によっては対応していない場合もあります。
また裏側矯正は歯の裏側に矯正器具を装着するため、舌が矯正器具に触れ続けて傷ついてしまい、強い痛みを生じることがあります。患者様によっては、痛みに耐えかねて途中で治療を断念し、表側矯正や後述するマウスピース矯正に切り替える場合もあります。その場合は2つの治療分の費用がかかってしまうため、要注意です。

マウスピース矯正
ホワイトワイヤーを使用した表側矯正や裏側矯正といった、ワイヤー矯正と大きく異なるのが、マウスピース矯正です。
表側矯正や裏側矯正では、ワイヤーの引っ張る力で歯を動かしていたのに対して、マウスピース矯正では現在の歯並びと微妙に異なるマウスピースを装着することで歯をわずかに動かし、徐々に最終的な理想の歯並びの形状のマウスピースに付け替えていくことで、歯列を矯正する装置です。
透明で目立ちにくいマウスピースを使用し、着脱ができるため、気軽に取り組める矯正治療として高い人気を博しています。
治療中の見た目
写真の通り、透明のマウスピースを装着するため、ほとんど見た目には矯正中であることが分かりません。一例として、当院で採用しているインビザラインであれば、同居の家族にすら矯正中だと気付かれなかった、という患者様もおられるほどです。
またマウスピース矯正は一時的にマウスピースを着脱することができるので、万が一にも矯正治療中だと知られたくない場合は、その時だけマウスピースを外しておく、という選択肢もあります。
注意点
インビザラインを含むマウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると少し対応できる症例が少なくなってしまいます。抜歯が必要な症例や、歯を大きく移動させる必要がある症例の場合は、マウスピースだけで治療を完結できない場合も。
ただしワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用することは可能です。最初はワイヤー矯正で大きく歯を動かし、細かな調整はマウスピース矯正で行うことで、治療期間を短縮し、ワイヤーを装着する期間を短くすることができます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.03.15更新

部分矯正

部分矯正をする主な年齢やタイミングは?
進学、就職、成人式、結婚式などの様々なライフイベントのタイミングで部分矯正を受ける方が多いので、ご説明します。

高校2年~3年生
高校卒業後の進路が決まり、大学デビュー等の新しい環境での生活に向けての準備として歯並びを治療する人もいます。

20歳前後
成人式で写真を撮るにあたって歯並びをきれいにしたい人や、海外留学に行く前に歯並びを治療したいという人もいます。大人の矯正治療は20代の人が最も多いです。

大学3年~4年生
就職活動に向けて、履歴書や面接での印象を良くしたいという人や、就職が決まって社会人になる前に歯並びを治したいという人もいます。

社会人2年~3年目
仕事が少し落ち着き、美容や健康にある程度自由にお金を使えるようになったタイミングで歯列矯正を検討する人も多いです。

結婚が決まった時
女性に多いのが、結婚式への準備の一つとして部分矯正をするケースです。全体矯正では2~3年もかかりますが、部分矯正なら結婚式に間に合います。

出産した後
出産後、職場復帰までの家にいる間に歯並びをきれいに整えたいというニーズがあります。

子供の幼稚園受験、小学校受験
両親の面談のある幼稚園受験や小学校受験に向けて、少しでも印象を良くしたいと歯並びを整えるお母さんもいます。

30代半ば~40代
アンチエイジングや美容への関心が高まる時期で、歯並びが気になっていたけれど今まで治療するタイミングがなかった人が、矯正治療を始めることがあります。子供の矯正治療に合わせて自分も矯正をする人もいます。

50代~60代
歯並びが長年気になっていたので、部分矯正ならやってみたいという人が治療を始めるタイミングです。重度の歯周病にかかっていなければ治療は可能です。
全ての年代に共通して、一度矯正治療を受けたけれど、何年かたって歯並びが後戻りしたので、再治療したいというニーズがあります。後戻りの治療は全体矯正ではなく、部分矯正で可能な場合が多いです。

部分矯正と全体矯正は何が違うの?
部分矯正では、2~8本程度の限定的な歯の矯正を行いますが、全体矯正では全ての歯を動かし、噛み合わせも整えることができます。
また、部分矯正では基本的に抜歯矯正は行いませんので、歯を大きく動かすことが出来ません。そのため、部分矯正で治療可能なのは、軽度のすきっ歯、出っ歯(上顎前突)やガタガタ(叢生)、受け口(反対咬合)等となります。
全体矯正では抜歯矯正を行うことが多く、出っ歯や受け口を大きく引っ込めたり、八重歯を治すことも可能です。
しかし、骨格性の出っ歯や受け口の場合は、歯を動かす治療だけでは口元の突出感を失くすことができませんので、外科矯正の適用となります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.02.22更新

前歯がねじれている場合は部分矯正で治る?

部分矯正で前歯のねじれを治す方法
ワイヤー矯正で前歯のねじれを治す
ワイヤー矯正は歯にワイヤーとブラケットをつけて行う矯正治療です。
前歯の表側に矯正装置をつける「ワイヤー矯正」と、歯の裏側に装置を付ける「裏側矯正」があります。
裏側矯正は人から見えませんが、装置が舌にあたったり、慣れるまでは発音がしにくい、喋りにくいなどのデメリットもあります。
部分矯正では前歯の8本にブラケットを付けます。

マウスピース矯正で前歯のねじれを治す
マウスピース矯正でも部分矯正を行うことが出来ます。
マウスピース矯正は透明なプラスチックで出来ているため、目立ちません。当院ではインビザラインという名前の装置を使用しています。
1日22時間マウスピースを装着して、2週間程度で次のマウスピースに交換していきます。食事や歯磨きの時にはマウスピースを外して行います。

部分矯正ではディスキングを行うことがあります
歯がガタガタになったりねじれたりする原因は、顎骨が小さくて歯が一列に並びきらないということです。
子供の矯正では顎骨が大きく成長するような装置を使用しますが、大人はもう成長が止まってしまっているため、顎の大きさは殆ど変えられません。
大人の歯並びをきれいにするためには、歯を動かすためのスペースが必要になります。ディスキングとは、前歯の両端を0.25ミリ~0.5ミリ程度削って、歯を動かすためのスペースを作ることをいいます。
エナメル質は通常1.5ミリくらいの厚さがありますので、ディスキングでは知覚過敏を起こさない程度に僅かに歯を削り、削った結果出来たスペースを利用して部分矯正を行っていきます。

部分矯正で治る範囲と治らない範囲
前歯の部分矯正
前歯の1本だけ前に出ている、捻じれているなど、前歯の歯並びを部分的に治すというもの。

奥歯が傾いているのを治す部分矯正
親知らずが斜めに生えてくると、奥歯が押されて傾いたり、歯列から飛び出したりといったことが起こります。部分矯正で奥歯の傾きを治すことが出来ます。(親知らずは抜歯する必要がある場合が多いです)

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.02.15更新

部分矯正の期間はどのくらい?

部分矯正にかかる期間
「前歯のみ」の部分矯正は最短3ヶ月、長くても1年程度での治療ができます。
治療期間が3ヶ月で済む場合は、元々の歯並びが比較的キレイな状態の方です。
歯を動かす距離が短く、微調整で整えられる場合は短期間で済みます。
治療期間が1年程度必要な場合は、元々の歯並びが整っていない方です。
歯を動かす距離が大きい場合は、移動させるために時間がかかるため、治療期間が長くなります。

部分矯正は「歯を動かす期間」と「歯を固定する期間」にわかれる
部分矯正は、「歯を動かす期間」と「移動させた歯を固定する期間」にわかれます。

歯を動かす期間
歯を動かす期間は、矯正装置を装着して、実際に歯を動かす期間のことです。
一般的に言われる矯正期間は「歯を動かす期間」を指します。
歯を動かす期間は、さまざまな要因によって差が生まれます。

矯正装置の種類
・患者様の歯の状態
・患者様の年齢
たとえば、矯正装置の種類には、ワイヤー矯正やマイスピース矯正といった装置があります。
仮に全く同じ症状で期間を比べたときは、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正のほうが治療期間が長くなります。
具体的な治療期間に関しては、医師による診察結果をもとに判断されるため、初回相談の際に聞いてみましょう。

保定期間
保定期間とは、動かした歯を特定の場所に固定されるための期間です。
部分矯正で歯を動かしたあとに、何もせず放置していると、元の位置に戻ろうとします。
この現象を「歯の後戻り」といいます。
治療完了直後は、歯周組織が不安定になっているため、歯が動きやすいです。
後戻りを防ぐために、リテーナーと言われる保定装置を使って、歯を固定して後戻りを防ぎます。
保定期間は、1年~2年です。
保定期間の前半(半年~1年)は1日中リテーナーを装着し、後半(1年半~2年目)は1日のうち数時間の装着時間に減らすことができます。
歯が理想とする位置に動いた安心感からリテーナーの装着をサボってしまう方も多いです。
歯並びが整ったからといって油断すると、すぐ元の位置に戻ってしまいます。
保定期間も治療期間中だと考えておくことが大事です。

リテーナーの種類
リテーナーには固定式と可動式があります。
固定式のリテーナーは歯の裏側部分にワイヤーで固定させるタイプの器具です。
後戻りを防ぐ効果は高いですが、自由に取り外しができないため、不便に感じる方もいます。
可動式のリテーナーはワイヤーとプレートで歯に挟むタイプと、透明なマウスピース型があります。
固定式と比べて効果に違いはありませんが、自由に外すことができるため、装着をサボると後戻りが起きやすいです。
自己管理を徹底できる方であれば、可動式のリテーナーのほうが、歯のケアをしっかり行うことができ、虫歯や歯周病予防もおこなえるでしょう。

部分矯正の期間が短い理由
部分矯正の期間が短い理由は、歯の構造にあります。
前歯の根っこは1本、奥歯の根っこは2~4本となっています。
そのため、前歯よりも奥歯のほうが、歯茎の中の根っこ部分が頑丈です。
矯正においては、前歯のほうが動かしやすいため、矯正治療の期間が短くなります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.02.08更新

親知らずと歯並びの関係とは?

親知らずと歯並びの関係
親知らずは、歯並びに影響を与える可能性があるため注意が必要です。
親知らずは、永久歯が生えそろったあとに生えてくる歯です。したがって、永久歯が生えたての頃は歯並びがきれいだったのにもかかわらず、親知らずによって歯並びが崩れてしまうケースもあるとされています。
とくに顎が小さい方の場合、親知らずが生えてくることで歯のアーチが圧迫されてしまいます。狭い歯列に親知らずという新たな歯が生えてくることで、歯列に歯が収まりきらなくなれば、歯同士が重なってしまうことにもつながるでしょう。
また、親知らずの生えるスペースが少ないと、親知らず自体の向きが正常でなくなるケースもあります。きれいな向きで生えてこられず、横や斜めに傾いた状態で生えてくるということです。
横向きや斜め向きで生えてきた場合も、ほかの歯を圧迫するため、次第に歯並び全体が悪くなっていく可能性があります。

歯並び以外にも親知らずが与える影響
親知らずの影響①:噛み合わせ
1つ目に挙げられるのが、噛み合わせです。親知らずは、上下左右で最大4つ生える可能性のある歯です。
すべて生えるとは限らないため、場合によっては「上の左の奥にだけ親知らずがある」というように一部の親知らずのみが生えるケースもあります。一部のみ生えてきた場合、噛み合わせが悪くなり、食べ物を噛みにくくなることにもつながります。

親知らずの影響②:虫歯や歯周病などのリスク
続いて挙げられるのが、虫歯や歯周病などのリスクです。親知らずは、歯磨きの際にブラッシングしにくい位置に生えてきます。親知らずのブラッシングが不十分となることで、虫歯や歯周病にかかるリスクも上昇しやすくなります。

親知らずの影響③:痛み・腫れ
続いて挙げられるのは、痛み・腫れです。前述のとおり、親知らずがあると虫歯や歯周病にかかりやすくなるため、疾患によって歯が痛む可能性が高まります。
また、親知らずは本来歯が生えない場所に生えてくる歯でもあります。不自然な場所に歯が生えることで、周りの歯や骨、歯茎を圧迫し、痛みにつながってくるケースもあるでしょう。

親知らずの影響④:口内炎
続いては、口内炎です。親知らずの生え方が正常でないと、親知らずによって頬の粘膜が刺激され、口内炎につながるケースがあります。
また「上の奥歯は親知らずが生えているが、下の奥歯には生えていない」といった片方だけ生えているケースの場合、片方の親知らずによってもう片方の歯茎を噛んでしまうことが多くなります。
親知らずで何度も歯茎を噛んでいるうちに口内炎となり、痛みを引き起こしてしまうケースも考えられるでしょう。

親知らずの影響⑤:口臭
親知らずがあると、口臭を引き起こすケースもあります。口臭につながるケースの1つ目は、歯と歯の間に食べ物が挟まった場合です。親知らずが横向きや斜め向きで生えている場合、親知らずと1つ手前にある歯との間に食べ物が詰まった際、歯ブラシで取り出すのが困難になります。食べ物が詰まったままになると、やがて腐敗して悪臭を放つようになり、口臭へとつながるのです。
口臭につながるケースの2つ目として、歯肉から中途半端に親知らずが出ている場合が挙げられます。このケースの場合、歯肉と親知らずの間に食べ物が詰まりやすくなります。すると先ほど同様に、掻き出されなかった食べ物が腐敗して悪臭を放ちやすくなるのです。

そもそもなぜ親知らずは生えるの?
親知らずが生える理由は、昔と今の食習慣の違いにあります。昔の人々は、動物の生肉や穀物、木の実といった硬い食物を中心に食べていました。硬いものを中心に多く摂取していたため、顎の骨が今よりも発達しており、親知らずが入るためのスペースも十分に確保されていました。
しかし現在では、昔よりも柔らかいものを多く食べるようになっています。結果、昔よりも「食べ物をよく噛む」という習慣が少なくなり、顎が発達しにくくなりました。顎が昔ほど発達しなくなったことで、親知らずの生えるスペースがなくなり、異常な形で生えやすくなったのです。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.01.29更新

偏位(へんい)とは?

偏位とはどのような症状ですか?
偏位(へんい)とは、顎(あご)の位置・骨格・歯の中心が正常値よりもずれている状態です。
偏位の中でも顎の位置がずれている状態を「顎偏位(がくへんい)」「顎偏位症(がくへんいしょう)」と呼び、下の顎の位置(顎位)が左右どちらかに偏っている状態を「下顎偏位(かがくへんい)」と呼びます。
顎が偏る量は、数ミクロンから数mm単位です。わずかなずれであっても、さまざまな症状を誘発することがあります。
他にも、歯列が左右にずれている「偏位咬合(へんいこうごう」というものもあります。

偏位咬合とはどのような症状ですか?
偏位咬合とは、上の歯列または下の歯列(あるいは両方)が、左右にずれている咬合のことです。左右にずれることから「左右偏位」とも呼ばれます。
上下の前歯の中心が左右どちらかにずれる原因は、歯のずれによるものと顎のずれや歪みによるものがあります。

顎偏位と顎変形症の違いはなんですか?
顎偏位とは顎の位置がずれている状態を指し、顎変形症とは顎の形や大きさの異常を指します。幼少のころから顎偏位であった場合、放置すると顎の形や大きさに影響を及ぼし顎変形症を誘発しやすいです。
口を開け閉めするとカクカク音がする・口が開けづらいなど「顎関節症(がくかんせつしょう)」の症状が現れることもあります。反対に、顎関節症が原因で下顎の位置がずれ、偏位になることもあります。

偏位の原因を教えてください
偏位は、骨格の問題・歯の問題・悪習慣などさまざまな原因によって起こります。それぞれの問題による原因の詳細は以下のとおりです。

【骨格の問題】上下の顎の骨、大きさ、形のずれや、顎関節の骨の大きさやずれ
【歯の問題】歯が生まれつき無い状態(先天性欠損)や、歯が歯ぐきに埋まっている状態(埋伏歯)、歯が生える位置の異常などによる左右のバランスの崩れ
【悪習慣】頬杖をつく癖や、習慣的な姿勢の悪さなどによる顎や歯のずれ
顎の位置(顎位)を決める要素には、上下の歯が噛み合っているときの「咬合位(こうごうい)」と、顎関節が安定しているときの「顆頭位(かとうい)」、筋肉がリラックスしているときの「筋肉位(きんにくい)」があります。この3つの位置が崩れることにより偏位が起こります。
咬合位・顆頭位・筋肉位の偏位が許容範囲内であれば症状は現れないことが多く、許容範囲を大きく超えると歯や顎の痛みなどの症状が強く現れることが多いです。 このように偏位にはさまざまな要因があるため、慎重に診断することが大切となります。

偏位の検査・治療方法
偏位の検査方法を教えてください
顎全体をエックス線撮影できるパノラマレントゲン検査や、口腔内・顔の写真撮影、顎の動きの検査、問診、筋触診、セファログラム(頭部エックス線規格写真)などを行います。
歯科医院により検査方法は異なり、より精密な検査が必要な場合はCTやMRIなどの検査をすることもあります。必要な検査をきちんとして、適切な治療計画をたてることが大切です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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