「噛み合わせ」と「歯並び」の違いとは?
2023.09.23更新
歯並びと噛み合わせは異なる概念で、それぞれに独自の意味と役割があります。以下ではそれぞれの概念を詳しく説明します。
歯並び(Orthodontics)
歯並びは、歯の位置や配置、そして外見に関連します。主に見た目に焦点を当てた概念で、歯が整然と並んでいて美しく見えるかどうかに関わります。
歯並びの問題を解決するためには、歯を移動させて適切な位置に配置することが必要となり、このプロセスを矯正治療と呼びます。
歯並びの改善は審美的な目的を追求し、歯並びを美しく整えることが主な目的です。ただし、歯の機能そのものには直接関与しません。
噛み合わせ(Occlusion)
噛み合わせは、歯の上下の顎同士が接触する際の関係や咬む機能に焦点を当てた概念です。これは歯の機能面に関連します。
正常な噛み合わせは、上下の歯が適切に接触し、咀嚼時に均等な圧力を分散し、食事を適切に噛む機能を提供します。
噛み合わせの問題があると、咀嚼の効率性や歯と関節への負担が増加し、歯周病や顎関節疾患などの健康問題のリスクが高まります。
要するに、歯並びは主に歯の外観や審美的な側面を指し、矯正治療を通じて改善されます。一方、噛み合わせは歯の機能に焦点を当て、適切な咀嚼機能と全身の健康に関与します。
歯科矯正によって噛み合わせを正常化することには多くの利点があります。
しっかり食べものを噛めるようになる
噛み合わせが正常であると、しっかりと食べ物を噛むことができ、咀嚼が進みます。これにより、栄養の吸収効率が向上し、全身の健康に貢献します。
後戻りを防ぎやすくなる
歯科矯正を受けた後、歯並びが元の位置に戻る「後戻り」を防ぎやすくなります。適切な噛み合わせを持つことで、歯が適切な位置に収まり、後戻りのリスクが低減します。
歯が傷つきにくくなる
噛み合わせが乱れていると、歯に不均衡な力がかかり、歯にひびが入る可能性があります。噛み合わせが正常であれば、各歯に均等な力がかかるため、歯の損傷リスクが減少します。
外傷性咬合による歯周病の予防
噛み合わせの不調和(外傷性咬合)が原因で歯を支える歯槽骨に損傷が生じ、歯周病が進行する可能性があります。正常な噛み合わせを回復させることで、外傷性咬合による歯周病のリスクを軽減できます。
顎関節症、頭痛、肩こりの予防・解消
噛み合わせの不調和により、顎関節に不均衡な圧力がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。正常な噛み合わせを回復させることで、顎関節症の予防と関連する頭痛や肩こりの症状の軽減が期待できます。
これらのメリットは、歯科矯正が単なる審美的な側面だけでなく、全身の健康にもポジティブな影響を与えることを示しています。正常な噛み合わせを持つことは、歯の長寿命と全身の健康に重要な要素です。
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