偏位(へんい)とは?
2024.01.29更新
偏位とはどのような症状ですか?
偏位(へんい)とは、顎(あご)の位置・骨格・歯の中心が正常値よりもずれている状態です。
偏位の中でも顎の位置がずれている状態を「顎偏位(がくへんい)」「顎偏位症(がくへんいしょう)」と呼び、下の顎の位置(顎位)が左右どちらかに偏っている状態を「下顎偏位(かがくへんい)」と呼びます。
顎が偏る量は、数ミクロンから数mm単位です。わずかなずれであっても、さまざまな症状を誘発することがあります。
他にも、歯列が左右にずれている「偏位咬合(へんいこうごう」というものもあります。
偏位咬合とはどのような症状ですか?
偏位咬合とは、上の歯列または下の歯列(あるいは両方)が、左右にずれている咬合のことです。左右にずれることから「左右偏位」とも呼ばれます。
上下の前歯の中心が左右どちらかにずれる原因は、歯のずれによるものと顎のずれや歪みによるものがあります。
顎偏位と顎変形症の違いはなんですか?
顎偏位とは顎の位置がずれている状態を指し、顎変形症とは顎の形や大きさの異常を指します。幼少のころから顎偏位であった場合、放置すると顎の形や大きさに影響を及ぼし顎変形症を誘発しやすいです。
口を開け閉めするとカクカク音がする・口が開けづらいなど「顎関節症(がくかんせつしょう)」の症状が現れることもあります。反対に、顎関節症が原因で下顎の位置がずれ、偏位になることもあります。
偏位の原因を教えてください
偏位は、骨格の問題・歯の問題・悪習慣などさまざまな原因によって起こります。それぞれの問題による原因の詳細は以下のとおりです。
【骨格の問題】上下の顎の骨、大きさ、形のずれや、顎関節の骨の大きさやずれ
【歯の問題】歯が生まれつき無い状態(先天性欠損)や、歯が歯ぐきに埋まっている状態(埋伏歯)、歯が生える位置の異常などによる左右のバランスの崩れ
【悪習慣】頬杖をつく癖や、習慣的な姿勢の悪さなどによる顎や歯のずれ
顎の位置(顎位)を決める要素には、上下の歯が噛み合っているときの「咬合位(こうごうい)」と、顎関節が安定しているときの「顆頭位(かとうい)」、筋肉がリラックスしているときの「筋肉位(きんにくい)」があります。この3つの位置が崩れることにより偏位が起こります。
咬合位・顆頭位・筋肉位の偏位が許容範囲内であれば症状は現れないことが多く、許容範囲を大きく超えると歯や顎の痛みなどの症状が強く現れることが多いです。 このように偏位にはさまざまな要因があるため、慎重に診断することが大切となります。
偏位の検査・治療方法
偏位の検査方法を教えてください
顎全体をエックス線撮影できるパノラマレントゲン検査や、口腔内・顔の写真撮影、顎の動きの検査、問診、筋触診、セファログラム(頭部エックス線規格写真)などを行います。
歯科医院により検査方法は異なり、より精密な検査が必要な場合はCTやMRIなどの検査をすることもあります。必要な検査をきちんとして、適切な治療計画をたてることが大切です。
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