COCOブログ

2024.07.31更新

市販のマウスピースで部分矯正はできる?

インターネットやドラッグストアで購入できる市販のマウスピースは、手軽に入手でき、価格も3000円前後と非常に安価です。一方で、一般的な歯科矯正治療は80万〜100万円と高額であるため、安価な市販のマウスピースに魅力を感じる人も多いでしょう。市販のマウスピースは歯型を取る必要がなく、購入後すぐに使用できるという手軽さがメリットです。

市販のマウスピースに効果はあるのか?
市販のマウスピースが必ずしも歯並びを改善するわけではありません。市販のマウスピースは、歯型を取っていないため、個々の口腔内に合っていないことが多く、使用すると歯が痛くなったり、かみ合わせが悪くなったりするリスクがあります。本来、市販のマウスピースは、いびきや舌の沈下を防止するためや、くいしばりや歯ぎしりによる歯の摩耗を防ぐために使用されるものです。

さらに、市販のマウスピースは柔らかすぎて変形しやすいため、歯に適切な力をかけ続けることができません。そのため、歯列や出っ歯の改善には期待できません。

出っ歯には歯科医院のマウスピースが良い理由
専門的な検査が受けられる

歯科医院でのマウスピース矯正では、事前にレントゲン撮影、歯型採取、口腔内写真、むし歯・歯周病の検査を行います。これにより、個別の状態に合わせた治療が可能で、必要に応じてむし歯や歯周病の治療を優先させることができます。

ゴールを見据えた治療計画が立てられる

矯正治療では、事前の検査結果をもとに歯の移動をシミュレーションし、計画を立てます。このシミュレーションにより、治療後の状態をイメージしやすく、抜歯の必要性も確認できます。

カスタマイズされたマウスピースで適切に歯を誘導できる

歯科医院で作製されるマウスピースは、個別に型採りされたオーダーメイド品です。ぴったりと合うため、隙間がなく、むし歯や歯周病のリスクを軽減しながら、歯列改善が可能です。

治療中のフォローが受けられる

歯科医院でのマウスピース矯正では、定期的なチェックが行われ、治療中のトラブルにも対応できます。一方、市販のマウスピースは自己判断での使用になるため、問題に気づかず、対応が遅れるリスクがあります。

アタッチメントを使って確実に歯を移動できる

歯科医院でのマウスピース矯正では、アタッチメントを使用します。アタッチメントは歯に矯正力を効果的にかけるために装着され、確実に歯を移動させることができます。市販のマウスピースにはこの機能がないため、歯並びの改善は難しいです。

市販のマウスピースは手軽さと安価さが魅力ですが、確実な歯列改善を目指すには、歯科医院での治療が必要です。

 

 

 

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.07.24更新

インビザライン矯正後に欠かせない保定装置「ビベラリテーナー」

インビザラインによる矯正治療は、歯が理想的な位置に移動した段階で治療が終了するわけではありません。矯正治療後は必ず「後戻り」のリスクがあり、そのために保定が必要です。インビザラインには専用の保定装置「ビベラリテーナー」が用意されています。

矯正治療後の歯の後戻りとは
後戻りとは、インビザラインでの矯正治療が終了した後に、歯が治療前の不正な咬合状態に戻ることを指します。後戻りの要因として、以下のものが挙げられます。

軟組織
口腔周囲筋の力のバランスによって歯の位置や歯列が維持されています。矯正治療による歯の移動は、このバランスを変えるため、後戻りが起こることがあります。

咬合
矯正治療によって適切な咬合関係が得られない場合、咬合力が不正な位置へ歯を移動させることがあります。

顎顔面と咬合の成長
矯正治療後に顎顔面が成長すると、歯列が成長に合わせて変化し、歯並びが乱れることがあります。

支持組織
矯正治療によって動いた歯は、歯槽骨、歯根膜、歯肉繊維などの支持組織が変化します。これらの組織が新しい位置で安定するには時間がかかり、固定が不十分なうちに矯正力が解除されると、元の位置に戻ろうとする力が働きます。

保定とは
保定とは、矯正治療で移動した歯をその位置に保持し、安定化させることです。矯正治療が終了しても、後戻りの可能性があるため、保定装置(リテーナー)を使用して歯を安定させる必要があります。インビザラインには専用のビベラリテーナーがあり、装着してもほとんど痛みを感じません。

治療終了後の最初の1年間は後戻りが起こりやすいため、セルフケアや食事の時以外はリテーナーを装着することが推奨されます。支持組織や咬合関係が固定された後は、徐々に装着時間を減らしていきます。リテーナーは薄く、破損しやすいため、破損した場合は再作製が必要になることがあります。

ビベラリテーナーとは
ビベラリテーナーは、インビザライン専用のリテーナーで、治療後の歯列に合わせて印象を取って作製する方法と、インビザラインのクリンチェックデータから作製する方法があります。透明なマウスピースタイプで目立ちにくく、取り外しが可能です。装着する際には、左右均等に優しく力をかけて手指で装着します。

ビベラリテーナーは3か月ごとに新しいものに交換し、1回に3セットが提供されます。価格は医院によって異なりますが、3セットで数万円が相場です。他の保定装置と併用可能で、ホームホワイトニングや歯ぎしり防止、フッ素塗布用のトレーとしても使用できます。

ビベラリテーナーと他のリテーナーとの違い
舌側線のワイヤー固定は保定効果が高いものの、大臼歯の保定が不完全で後戻りの可能性があります。また、デンタルフロスの通しにくさがデメリットです。ビベラリテーナーは大臼歯まで保定でき、清掃性が良く、破損が目で確認しやすい点も優れています。ただし、装着しないと保定効果が発揮されないため、効果は患者自身の管理に委ねられます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2024.07.17更新

インビザラインで歯が動く仕組み

インビザラインによる歯の移動の仕組みは、従来のワイヤー矯正と基本的な原理は同じですが、力のかけ方に違いがあります。インビザラインでは、まず口腔内の歯列データを専用ソフトで解析し、理想的な歯列をゴールとして設定します。現状の歯列から理想の歯列に向かって、数個から数十個のマウスピースを製作し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。それぞれのマウスピースは現状よりも少し理想に近い形状をしており、その形状の差によって歯に力がかかります。

インビザラインには、特殊な強化プラスチック「SmartTrack素材」が使用されており、持続的に弱い力をかけることで歯をゆっくりと移動させることが可能です。また、歯の形状やアタッチメントとマウスピースの密着性が高いため、歯の移動量を細かく調整でき、従来のワイヤー矯正で見られた歯根吸収のリスクがほとんどありません。

インビザラインの補助装置で歯が動く仕組み
インビザライン治療では、歯を効率的に動かすために補助装置を使用することがあります。

アタッチメント

アタッチメントとは、治療中に歯面に付与される歯と同色の小さな突起物です。コンポジットレジン製で、歯の軸や角度を調整し、理想的な歯列への移動をサポートします。アタッチメントはテンプレートという無色透明な装置を使用して歯面に付与されます。このアタッチメントの形状とマウスピース内面の対応部分の形が微妙に異なるため、矯正力がかかります。

顎間ゴム

治療中に補助的な力をかけるために、上顎と下顎の歯にゴムをかけることがあります。これにより、出っ歯や受け口、左右の横ずれを改善します。ゴムの弾性力を利用して歯を目的の位置に移動させ、しっかりとした咬合を確立します。

Ⅱ級ゴム: 上顎前突(出っ歯)の症例で使用。上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎を後方へ、下顎を前方へ引っ張ります。
Ⅲ級ゴム: 反対咬合(受け口)の症例で使用。下顎の犬歯と上顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎を前方へ、下顎を後方へ引っ張ります。
クロスゴム: クロスバイトやシザーズバイトなどの左右にずれている歯列の症例で使用。上顎と下顎の同じ歯の頬側や舌側、口蓋側にゴムをかけて矯正力をかけます。
垂直ゴム: 開咬の症例で使用。上顎と下顎の同じ歯の頬側にゴムをかけ、上下の歯を垂直方向に引っ張ることで矯正力をかけます。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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