COCOブログ

2023.11.20更新

鏡を見る女性

「私は数本の歯が乱れているだけだから部分的な矯正で済ませたいな」といったように、気になる歯が1~3本程度ならば部分矯正で治せるのではないかと考えている人も多いでしょう。
しかし乱れた生え方をしている歯の本数が少なくても、部分矯正では治せずに、全体的に矯正治療をしなくてはいけない症例はたくさんあることを知ってもらいたいのです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。部分矯正は費用を安く抑えられ、治療期間も短いというメリットがあります。その反面、噛み合わせを改善させることができない点がデメリットとして挙げられるでしょう。
基本的に矯正といえば歯列全体を動かす治療法であり、部分的な矯正治療で済ますことができるケースは限られています。つまり、部分矯正は、噛み合わせに問題がない、軽度の症例に限り、用いることができる治療法です。今回は部分矯正について詳しく掘り下げていきましょう。

部分矯正ができない例
患者さんが「部分的な矯正で歯列を整えたい、部分的に歯を動かしてもらうだけで構わない」という希望を抱いていても、できない場合が多いです。「数本の歯だけを部分矯正で治したい」と考えても、条件をクリアしない限り部分矯正では治せません。
この項では部分矯正で対応できないケースを、例を挙げて紹介しましょう。

前歯や八重歯を並べるスペースが圧倒的に足りない
1本ずつの歯を少量ずつ削ることにより、歯を動かすスペースを生み出す方法を「IPR」(interproximal enamel reduction)と言います。歯の表面を覆っているエナメル質をわずかに削るだけなので、問題は起こりにくいです。実際には、日本人では歯の一本当たり、片側0.25mm、両側で0.5mmまでが安全だと一般的に言われていますが、上下の歯でもエナメル質の厚さは異なります。
このような処置を行うケースは、前歯や八重歯だけを部分矯正する場合によく用いられる方法です。歯のサイズに対して歯を収める土台が小さいことが原因なのですが、歯が大きすぎたり、歯が重なりあっている状態が重度の場合は、IPRで得られるスペースでだけでは歯を並べるスペースが足りないため、IPRを用いた部分矯正はできません。

出っ歯を後ろに引っ込めたい
「出っ歯」というのは上顎の歯列が前方へと突き出ている状態のことです。骨格の問題として上側の歯列全体が突き出ている場合と、前歯に角度がついて出っ歯になっているケースが考えられるでしょう。
どちら場合にしても、前歯を後ろに下げるためには、前歯と奥歯を関連させて全体的に歯並びとかみ合わせを整えてながら前歯を下げていく必要があるため、部分的な矯正では治療することは基本的に不可能です。

前歯が閉じない歯並び(開咬)
「開咬(かいこう)」というのは、上下の歯を噛み合わせた時に前歯が閉じずに隙間ができている症状のことです。奥歯はしっかりと噛み合っている状態で、前歯が開いてしまっている症状を指します。
「前歯だけを治せば良いから部分矯正できる」と考える方もいるかも知れませんが「噛み合っている奥歯」と「開いている前歯」の両方を見なくてはならない全体矯正が必要となる症状であり、全体矯正を行うにしても難しい症例であり、時には外科手術が必要な場合もあるくらいなので、部分矯正で治療できるケースは少ないでしょう。

正中が合わずに左右非対称
前歯2本の間を通る、中心の縦線を「正中(せいちゅう)」と言います。この線が上側と下側で揃わない場合、患者さんが「部分矯正で歯列を整えたい」といった願望を持っていても、全体矯正することをお勧めします。
なぜならば、正中が真ん中で揃わないということはどこかにズレが生じていることが多いためです。骨格に問題があったり、噛み合わせに不具合がある場合は、部分的な矯正では対応できません。

部分矯正のよくある質問
歯列の条件としては部分矯正ができるはずなのに、医師からは「できない」と言われる例も少なくありません。患者さんとしては「どうして」といった疑問が残ってしまうことも。
部分矯正を希望する人が知っておきたいこととは、どのようなものでしょうか。
歯の神経を抜いているが部分矯正は可能?
歯は「歯槽骨」と呼ばれる骨に埋まっている状態です。歯槽骨と歯の間には「歯根膜」と呼ばれる薄い膜があるのですが、この部位が正常な状態ならば歯の神経を抜いた人でも部分矯正は可能です。
また、虫歯治療で歯に被せ物をしている場合は、それを外した上で矯正をするパターンがあるでしょう。矯正力が歯に加わった時に、被せ物にも力が伝わると不意に外れてしまう恐れがあるためです。
また、基本的には一部にインプラントの歯があっても矯正は行えますが、歯根膜がないインプラント歯は、天然の歯のように矯正治療では動かせないので医師と相談してみましょう。

部分矯正が向いている人は?
部分矯正を全体矯正と比べた場合、治療に臨むにあたっての気構えや苦労の大きさが違ってくるでしょう。掛かる費用が安く、治療期間も短い部分矯正は「気軽に」歯列矯正をしたい人に向いているのでしょう。
ただし、全体矯正を選んだ方が、イメージ通りの仕上がりになりやすいという点は覚えておきましょう。全体に比べて部分ではできることが限られてしまうため、部分矯正で治療した結果が「望んだ歯列にならなかった」となる可能性があります。

部分矯正の注意点は?
歯列矯正は「美容目的の治療」「見た目が良いならOK」と考える人もいるかもしれません。しかし、本来は噛み合わせも改善できる治療法であり、機能性の回復も期待できるのです。
ところが先に述べたように、部分矯正では噛み合わせの改善ができないので、注意が必要です。また、歯列全体を美しく整えられる全体矯正に比べ、部分矯正ではそこまで追求できず、理想の結果とならないこともあります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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