COCOブログ

2022.08.18更新

不正咬合が前歯だけで重度でない人は部分矯正で治すことが出来ます。前歯の矯正という言葉からは簡単そうなイメージを受けますが、実は部分矯正で治療できる人は限られますし、部分矯正で改善する歯の範囲も限られます。

部分矯正はお手軽で安い?

部分矯正はお手軽で安い?

前歯だけの部分矯正は全体矯正と比べると治療期間が短く、費用も抑えられるような治療プランになっています。歯並びを治したい方にとって部分矯正は手軽に始められる治療といえます。
部分矯正を希望される方は、「全体矯正は費用がかかるし2年くらい装置をつけるから大変そうだけれど、部分矯正なら数か月で終わるし、安いからやってみたい」という感覚でおられる方が多いでしょう。
実際に、矯正はしたいけれど出来るだけ費用を抑えたいというご希望は多いです。

安さだけで部分矯正を選ぶのは危険
費用が安いという理由で前歯だけの部分矯正をしたいと思っておられる方は多いのですが、費用だけで選ぶのは危険です。もし部分矯正を受けるとしても、上下の歯や顎をしっかり検査して慎重に検討する必要があります。それは、前歯の矯正には全体の矯正治療以上に治療が難しいケースがあるからです。
歯の矯正治療においては歯列の見た目を美しくすることはもちろん重要ですが、同時に噛み合わせを正しくすることも大切です。矯正治療の本来の目的は、歯並びをきれいにすると同時に、噛み合わせを正しくすることだからです。

検査の結果、部分矯正は無理と診断される場合もある

部分矯正はお手軽で安い?

部分矯正でその人の不正咬合が治るかどうかを見極めるには、全体の矯正以上に緻密な診査と診断が必要になります。本来、部分矯正での治療が可能なケースは、不正咬合が前歯だけに起こっており、奥歯は歯並びにも噛み合わせにも問題がないという場合です。
部分矯正は前歯の見た目だけに焦点を当てがちなため、奥歯の噛み合わせが考慮されないことがありますが、奥歯にかなりの不正咬合や噛み合わせの悪さがみられる場合は、部分矯正では治らないと診断されます。
もう一つのケースは、前歯の不正咬合がかなり重度で、例えば複数の前歯が大きく重なっていたり、八重歯があったりして、抜歯しなければ歯がきれいに並びきらない場合です。抜歯矯正は全体矯正で治療しなければなりません。
抜歯が必要な不正咬合を抜歯せずに部分矯正で治そうとすると、結果的にきれいに歯が並ばず、トラブルが発生する例も多いため、部分矯正が可能かどうかは矯正担当医の診断に従っていただきたいと思います。

部分矯正で治療ができない歯並びとは?
前歯のデコボコが激しく歯がかなり重なり合っている場合
部分矯正は歯をきれいに並べるためのスペースを得るために、前歯の左右をほんの少し削ります。そうして出来たスペースを使って歯を動かしていきますが、歯の重なりが大きくて、歯の両側を削っただけではまだスペースが足りない場合は、ある一定の状態以上にはデコボコ(叢生)が改善出来ません。
受け口や開咬の場合
下の前歯が前に出て上の前歯に被さっているのが受け口(反対咬合)です。受け口の場合は下の歯を全体的に後ろに下げていかなければならないので、前歯だけの治療では治すことが出来ません。
開咬は奥歯で噛んだ時に前歯に上下の隙間が空いてしまう不正咬合のことですが、開咬の場合も奥歯から前歯まで全ての歯を動かさないと改善することが出来ません。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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