
MFT(口腔筋機能療法)とは?歯並びの「原因」から治すトレーニング
MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)とは、歯並びや噛み合わせを悪くしている原因である「舌・唇・頬などの筋肉のバランス」を整えるためのトレーニング療法です。
歯並びは、単に遺伝だけで決まるものではありません。
実は、「舌の位置」や「飲み込み方の癖」、「口呼吸」といった日常の些細な習慣が、歯を内側や外側から押し出し、歯並びを悪化させているケースが非常に多いのです。
MFTを行うことで、これらの悪習癖(悪い癖)を取り除き、矯正治療の効果を最大限に高めると同時に、治療後の「後戻り」を防ぐことができます。
あなたのお子様は大丈夫?MFTが必要となる4つのサイン
以下のような癖や症状がある場合、MFTによる改善が必要です。放っておくと、せっかく矯正治療をしても上手くいかない原因になります。
1. お口ポカン(口呼吸)
テレビを見ている時などに、無意識に口が開いていませんか?
口呼吸は舌の位置を下げ、上顎の成長を妨げます。MFTで唇を閉じる力(口輪筋)を鍛え、鼻呼吸を習慣化させる必要があります。
2. 舌の癖(舌突出癖・異常嚥下癖)
飲み込む時に舌を前に突き出したり、話す時に舌足らずな発音になったりする場合です。
舌が前歯を裏側から押し続けることで、「出っ歯」や「開咬(前歯が噛み合わない)」の原因になります。
3. 指しゃぶり・爪噛み
3歳〜4歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、指の力で前歯が変形してしまいます。MFTで口周りの筋肉を正しく使うことを覚え、指への依存を減らしていきます。
4. 舌小帯(ぜつしょうたい)が短い
舌の裏にあるヒダ(舌小帯)が短く、舌を上に持ち上げられない状態です。MFTで舌を動かす練習を行い、可動域を広げます(場合によっては切除手術と併用します)。
MFTを行う5つのメリット
MFTは単なる筋トレではありません。お口の機能を高めることで、全身の健康にも良い影響を与えます。
矯正治療がスムーズに進む・後戻りを防ぐ
歯を動かす妨げになっていた「筋肉の圧力」を取り除くことで、矯正期間が短縮され、治療後も綺麗な歯並びをキープしやすくなります。
風邪を引きにくい体になる(鼻呼吸の効果)
口呼吸から鼻呼吸に変わることで、ウイルスや細菌が直接喉に入るのを防ぎ、免疫力が向上します。
顔つきが引き締まる
口周りの筋肉(表情筋)が鍛えられるため、口角が上がり、フェイスラインがスッキリとした「良い顔貌」に成長します。
食事の所作がキレイになる
クチャクチャと音を立てて食べる癖(咀嚼機能の乱れ)が治り、正しい飲み込み方が身につきます。
発音がハッキリする
舌が正しい位置で動くようになるため、サ行やタ行などの発音が明瞭になります。
MFTのデメリット・注意点
毎日の継続が必要
MFTは「筋トレ」と同じです。数回やっただけでは効果が出ません。ご自宅で毎日コツコツ続ける必要があります。
親御さんのサポートが不可欠
特にお子様の場合、一人で続けるのは難しいものです。親子で楽しく取り組めるよう、励ましと確認が必要です。
即効性はない
筋肉の使い方が変わり、歯並びに影響が出るまでには数ヶ月〜年単位の時間が必要です。
お家でできる!MFTのトレーニング方法(一例)
当院で指導しているトレーニングの一部をご紹介します。
※実際には、患者様のお口の状態に合わせて最適なメニューを指導します。
1. スポットポジション(舌の基本位置)
舌の先を、上の前歯の少し後ろにある膨らみ(スポット)に当てます。
口を閉じている時は、常に舌がここにあるのが「正解」です。
2. ポッピング(舌の吸い上げ)
舌全体を上顎に吸い付け、口を大きく開けながら「ポンッ!」と音を鳴らします。舌を持ち上げる力を鍛えます。
3. ボタンプル(唇の筋トレ)
大きめのボタンに紐を通し、唇と歯の間にボタンを挟みます。
紐を手で引っ張り、ボタンが口から飛び出さないように唇の力だけで堪えます。
4. スラープ&スワロー(正しい飲み込み)
水を口に含み、奥歯を噛み合わせ、舌をスポットにつけたまま「ゴックン」と飲み込みます。舌を前に出さずに飲み込む練習です。
まとめ:一生モノの「正しいお口の機能」を
MFTは、見た目の歯並びだけでなく、「呼吸」「食事」「発音」といった、生きていく上で欠かせない機能を育てる治療です。
「矯正をしたのに後戻りしてしまった」
「子供の口がいつも開いているのが気になる」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
当院では、矯正治療と並行して、スタッフが楽しく分かりやすくMFTの指導を行っています。











