歯ぎしりや食いしばりの悪癖があると、インプラントによくないと聞いたことはありませんか?
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントの失敗にもつながります。そのため、インプラント治療にあたる際の事前検査では、歯ぎしりや食いしばりがないかどうかよく確認します。

歯ぎしり・食いしばりの基礎知識

そもそも、歯ぎしりや食いしばりはなぜ起きるのでしょうか。よく「ストレスが原因」といわれていますが、未だ明確には解明されていません。
しかし、遺伝や飲酒、喫煙、カフェインの摂りすぎ、抗うつ剤の服用なども関係があるといわれています。
「自分は歯ぎしりしていない」という方でも、ほとんどの人が歯ぎしりや食いしばりがあり、一般的には睡眠中の8時間に15分以上しているという統計もあります。
歯ぎしりや食いしばりは、医学的に言うとブラキシズムといいます。

ブラキシズム

グランディング:歯ぎしり
クレンチング:食いしばり、噛み締め
タッピング:上下の歯をカチカチと噛み合わせる

では、歯ぎしりや食いしばり、それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは、上下の歯と歯をギリギリと横にすり合わせる行為のことです。歯ぎしりの多くは睡眠時、特に浅い眠りのときに起こることが分かっています。
人間は深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返していますね。深い眠りのときは頬の筋肉は活動しませんが、眠りが浅くなると筋肉が緩み、その拍子に歯ぎしりも起こるといわれています。
ストレスや飲酒、喫煙、カフェインの摂りすぎなども眠りを浅くする原因になるため、歯ぎしりにつながるとされているのです。 

食いしばりとは

食いしばりも睡眠時に見られる行為ですが、クレンチングに関しては目が覚めている覚醒時にも起こります。
特に多いのは、瞬発的に力を使うときや集中しているときなどです。重い荷物を持つときに、歯を食いしばるという経験は誰にでもあるでしょう。
食いしばりが癖になっていると、頬の内側に歯の咬み合わせに沿うように線ができています。もしも線があったら、起きている間だけでも意識的に食いしばりをやめることが大切です。

歯ぎしりや食いしばりが引き起こすトラブル

歯ぎしりや食いしばりがなぜ悪癖と呼ばれるかというと、身体に以下のような様々なトラブルを招いてしまうリスクが高まるからです。
・歯が摩耗する
・顎に負担がかかる
・虫歯や歯周病になりやすい
・頭痛や肩こりが起きやすい
・インプラント上部が破損する
・インプラントが脱落する

歯が摩耗する

歯と歯を合わせてギリギリしたりグッと食いしばったりすると、歯に圧力がかかります。歯ぎしりや食いしばりの圧力は自分の体重の倍以上で、ひどいときには100kg以上もの力がかかっているといわれているのです。
頻繁に歯ぎしりや食いしばりを行っていれば、歯の咬み合わせ部分がヤスリをかけたようになり歯の先端がすり減ってしまいます。
歯の先端がすり減ると歯の形状が変わってしまう事があり(先端のギザギザがなくなる)、象牙質が露出して知覚過敏にもなりやすくなります。

顎に負担がかかる

歯ぎしりや食いしばりは、顎へも大きな負担をかけます。特に、歯を食いしばると奥歯に力がかかりますね。奥歯は顎にとても近く、頻繁に力がかかると顎関節症や咬み合わせが悪くなるなどの症状につながります。
日頃からストレスを抱えている方は、寝ているあいだに無意識に食いしばっているので、ある日突然、朝起きたら顎関節症になるということも多いです。

虫歯や歯周病になりやすい

歯ぎしりや食いしばりは歯茎にも負担をかけるので、歯茎下がりの原因にもなります。歯茎が下がるとエナメル質で覆われていない部分が露出し、虫歯や歯周病になりやすいです。
また、歯ぎしりをすると歯が揺れるので、元々歯周病にかかっている場合は症状の進行が加速することが分かっています。

頭痛や肩こりが起きやすい

ブラキシズムによって顎関節症や咬み合わせ異常が出ると、頭痛や肩こりにもなりやすくなります。
顎や頭蓋のほか、全身の骨のバランスが崩れるためです。

インプラント上部が破損する

歯ぎしりや食いしばりで強い力が加わると、インプラント上部の人工歯冠のネジがゆるんだり、摩耗して欠けやすくなったります。
インプラントを入れたばかりなのに欠けてしまった、咬み合わせが合わないといったトラブルの多くは、実は歯ぎしりや食いしばりの癖が原因であることが多いのです。
インプラント周囲炎は毎日のセルフケアや定期メンテナンスで防ぐことができます。しかし、癖になっている歯ぎしりや食いしばりによるトラブルは、なかなか改善しにくいのが現状です。

なぜインプラントはブラキシズムの影響を受けやすいのか

インプラントと天然歯との大きな違いは、歯根膜の有無です。天然歯には歯根膜というものがあり、血液や栄養を供給する他、かかる力の衝撃を分散させるクッションのような働きをしています。
しかし、インプラントには歯根膜が存在しません。そのため歯にかかる衝撃は骨がダイレクトに受け止めることとなります。
そのため、咬み合わせの異常や、インプラント周囲炎のリスクが高まってしまうのです。

歯ぎしりや食いしばりからインプラントを守る方法

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インプラントをダメにしてしまうので治療できないのでは?と心配される方もいらっしゃいます。しかし、歯ぎしり・食いしばりのある方は、ナイトガードやスプリントといった、取り外し可能なマウスピースでインプラントを守ることができます。

ボトックスという選択肢

当院ではマウスピース以外にもボトックスを使ってブラキシズムの改善を図ることもできます。
詳しくはこちらをご覧ください

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