COCOブログ

2022.02.24更新

インビザラインは、患者さんに最初にお渡しする数十枚のマウスピースのみで治療が完了する事はほとんどありません。ほとんど場合、リファインメントといって治療計画の修正作業が必要になります。

計画通りに歯が動かない時のリファインメントって?

◆なぜ計画通りに治らないのか?
インビザラインでは、少しづつ歯列の形状が異なる薄いプラスティックシートを順番に装着していく事で、コマ送りのように歯を移動させていきます。
そもそもマウスピース矯正装置は、20年前まで軽度の歯列の不揃いや軽度の回転のみしか対応はしていませんでした。それが、アタッチメントや素材の進歩により回転や歯根の移動など難しい動きが可能となりました。
ですが、規定通り装着していてもマウスピースの矯正力が全て歯に伝わるわけではありません。様々な理由で、矯正力のエネルギーロスが発生するからです。海外の研究報告で、「インビザライン社マウスピースでは2週間交換使用で平均73%歯の動きが達成された」というデータもあります。現在ではマウスピースを1週間交換で進めていくのが主流ですので、実際の数値はもう少し低いと思います。おそらく歯の動きの達成度は平均70%程度ではないかと推測されます。

◆リファインメントと追加アライナー
普通、初回のマウスピースで達成できなかった歯の動きは、「リファインメント(修正)」という作業を行い改善していきます。リファインメントでは再度歯列のデータを取り、初回の治療計画で足りなかった部分や、治療計画からズレきている部分を確認します。そして新たな治療計画を追加し、続きのマウスピースである追加アライナーを発注します。
追加アライナーを使用していく事でアップライトと呼ばれるような奥歯の倒れ込みの改善、歯の回転不足の調整、奥歯の上下の噛み合わせの調整など行っていきます。

◆リファインメントの回数と期間
リファインメントの回数は2回程度が一般的です。これは、前述のようにマウスピースの歯の動きの達成度が平均70%だからです。普通であれば、70%(0)→91%(1)→97%(2)…といった感じで歯列が完成していきます。難症例ではなく、装着時間も問題なければ、2回のリファインメントでおおよそ完成に近い95%を超えます。マウスピース型矯正治療は常にマウスピースを一層かんだ状態で進めていきますので、噛み合わせが100%になる事はありません。ですので、ここが治療のゴールになる事が多いです。
注意点は、リファインメント後すぐ追加アライナーが使えるわけではない事が挙げられます。医院によって治療計画の作成期間は異なります。さらに海外から郵送期間とその後の準備も含めると、待機時間は大体1~2か月になります。追加アライナーのマウスピースの量は20枚以内に設定する事が多く、1回リファインメントで完了まで最低半年くらいかかると考えていただくと良いと思います。

◆「リファインメントなし」あるのか
初回のマウスピースで歯の動きの達成度が95%を超えた場合は、リファインメントをせずに終了する事もあります。このようなケースは、元々の歯並びの不揃いが軽度で噛み合わせの問題が少ない方になります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2022.02.10更新

◆他のマウスピース矯正と、インビザラインは何が違う?

他のマウスピース矯正と、インビザラインは何が違う?

マウスピース型の矯正装置は、金属のワイヤーとブラケットを歯に付ける従来の矯正方法とは大きく異なり、目立たず、取り外しが可能であることから気軽に矯正治療を始められるので、近年注目を集めています。
インビザラインだけでなく、マウスピース矯正には、他にもいくつかの種類があります。

◆マウスピース矯正装置
まずは「マウスピース矯正」と呼ばれるジャンルについてご説明しましょう。従来のワイヤー矯正ともっとも異なる点は、歯に固定せず取り外しが可能なことです。
矯正治療中も、ストレスを感じることなく食事や歯磨きができます。マウスピース矯正の装置はどれも透明で、同じような形状に見えますが、治療方法や治療期間、そして治療効果には大きな違いがあります。

一般的なマウスピース矯正装置について
インビザライン以外のマウスピース矯正は、歯が動くたびに歯型を採取して、次のマウスピースを作製します。ご経験のある方は大変さがおわかりだと思いますが、歯型を採る際に大きなトレーを口の中に入れて数分間じっとしているのは苦しいものです。しかも、この印象採取を2週間~1ヵ月に1回行わなければなりません。
またマウスピースは、歯科技工士がひとつずつ手作業で作製するため、歯科医師とともに歯科技工士の技術も高くないと、計画通りに歯を動かす効果が期待できません。
「他のマウスピース矯正」と「インビザライン」を車でのドライブに例えるなら、
「漠然としたゴールに向かって毎回地図を確認しながら運転する」のと、「明確なゴールを設定したカーナビを搭載した車で走る」のと同じくらいの違いがあるとご説明するとわかりやすいでしょうか。

インビザラインについて
インビザラインは、最初に1回採った歯型を3Dデジタル化し、治療完了までの緻密な治療計画を立てます。
当院では光学スキャナ「iTero」で、歯や歯茎にレーザー光線を当てて正確な歯型のデータを採り、患者様の負担が少ない検査を行っています。
インビザライン・マウスピースは、最新のデジタル技術を駆使した米アライン社の工場で、治療計画を忠実に具現化するため、再現性・正確性は群を抜いていると言えます。

◆インビザラインの特徴

インビザラインの特徴

正確性・再現性が高い
インビザラインは、米国アライン・テクノロジー社が作製するマウスピース型カスタムメイド矯正装置です。世界80ヶ国以上の国々で1100万人以上(2021年9月末現在)の方が、インビザラインで矯正治療をしています。ドクターの治療計画を忠実に具現化するため、多くの臨床データを活用し、米アライン社の最新のデジダル技術を駆使した工場で、手作業よりもはるかに正確で再現性の高いマウスピースが製造されます。

歯型採取は1回
インビザラインの治療では歯型を採取するのは最初の1回だけです。レントゲン写真や、口腔内写真などのデータと最初に採取した歯型を基に、歯の移動をシミュレーションして理想の歯並びになるまでのすべての装置を作製します。
当院では光学スキャナ『iTaro』を導入し、臭いや味のある歯科材料を使って歯型を採ることがないため、患者様には快適な検査を受けて頂くことができます。

通院回数が少ない
矯正治療は、種類によって通院回数に違いがあります。ワイヤー矯正や、毎月歯型を採取する他のマウスピース矯正では、1ヶ月に1回の通院が必要です。一方、インビザライン矯正は通常2~3ヶ月に1回の通院で治療を進めていくので、遠方からご来院される方、仕事がお忙しい方でも無理なく矯正治療を行うことができます。

◆インビザラインが優れている理由
インビザライン矯正を生み出した米国アライン・テクノロジー社は、マウスピースに関する特許を中心に多くの知的財産を保有しています。コンピューター・テクノロジー、ビジネスモデル、口腔内スキャン、マウスピース製造プロセスなど幅広い技術分野で特許を取得。その特許数は2013年3月末現在、全世界で累計550件以上におよびます。そのため「他のマウスピース矯正」が、高い効果を生み出す「インビザライン」のシステムを真似できないのです。
米国でインビザラインは広く知られたマウスピース矯正のブランドであり、患者様は「インビザライン」での治療を希望して矯正歯科を選択します。日本においても、「インビザライン」の知名度は徐々に高まり、「インビザライン」での治療を希望して来院される患者様は、確実に増えています。

◆マウスピース矯正で失敗しないために
技術が向上して適応症例も拡大し、近年、飛躍的に症例数が増えているマウスピース矯正ですが、残念なことに目標の歯並びにならず失敗につながるケースも出ています。特に気を付けて頂きたいのは、下記の2点です。

マウスピース装着時間・交換時期を守る
マウスピース矯正にはいくつもの種類があり、それぞれ治療方法が異なることはご理解いただけたことと思います。どのマウスピース矯正であっても、取り外しができるために日常生活への支障が少なく、大変便利な矯正治療方法であることは間違いありません。ただし、患者様ご自身で取り外すことができるために、歯科医師の指示に従ってマウスピースの装着時間を自己管理できないと、治療が計画通りに進まず、失敗につながることがあります。
前述の通り、マウスピース矯正の種類によって、マウスピースの装着時間や交換期間は異なります。患者様の自己判断でマウスピースの装着時間や交換期間を変更してしまうと、治療計画にズレが生じ、小さなズレが溜まってしまうと、新しいマウスピースがはまらなくなってしまうこともあります。マウスピースを作り直したり、治療期間が延長になったりすると、治療費がかさむ場合もありますので、注意が必要です。

口腔ケアで虫歯や歯周病を予防する
ワイヤー矯正と異なりマウスピース矯正の場合は、今まで通り歯磨きやフロスを行うことができますが、アタッチメントやその他の矯正装置を付けていると、歯磨きがしにくくなる場合があります。また、歯に磨き残しや、マウスピースの洗浄が不十分で汚れが残っていると、長時間マウスピースをはめている間に菌が増殖してしまうことがあるので、矯正治療の前よりも、丁寧な口腔ケアが必要です。
矯正治療の途中で、虫歯や歯周病になってしまうと、虫歯や歯周病の治療を優先しなくてはなりません。虫歯や歯周病の程度によっては、矯正治療を中断しなければならない場合もあります。虫歯治療の詰め物で、マウスピースの形が合わなくなってしまうと、マウスピースを作り直す必要があります。
矯正を始められたばかりの患者様は、歯への関心が高く以前よりも丁寧に歯磨きやマウスピースの洗浄をされている方が多い様ですが、治療期間が長くなるにつれ、慣れや油断で歯磨きやマウスピースの洗浄がおろそかになりがちです。矯正治療中は、虫歯や歯周病にならないよう十分に気を付けて下さい。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

2022.02.03更新

◆インビザラインで使うiTeroは、そもそもどんなもの?

itero

現在多くのメーカーから口腔内スキャナーが提供されています。インビザラインで使用するのはiTeroという口腔内スキャナーです。日本国内ではiTeroだけがインビザラインの認定接続が可能です。
正式名称はiTeroスキャンニングシステム(アメリカのアライン・テクノロジー社が開発)で、口腔内に専用の3Dスキャナー(カメラみたいなものです)を入れ、歯列矯正を行う歯の状態を直接撮影して、精密な歯型のデータをとることができる光学スキャンニングシステムです。

◆iTeroの特徴

iTeroは今までの歯型取りの常識を覆す、画期的な技術です。その特徴をご紹介します。

1.歯をスキャンした後、3Dのデータで見れる

iTeroで歯をスキャンした直後に実際の歯の様子を3Dのデータで確認することができます。
実際に歯並びや噛み合わせがどうなっているのかをモニター画面で見ることで、ご自身がどのような不正咬合で、治療する理由や目的がはっきりとわかります。

2.歯並びのシミュレーションを3Dアニメーションで確認できる
iTeroで歯をスキャンしてデータを読み取った後は、現在の歯並びから治療後のきれいな歯並びに変わるまでの様子を3Dアニメーションで見ることができます。
ご自身の歯がダイナミックに動いてきれいな歯列になっていく様子を見ることで、治療計画の内容がより具体的にわかります。

3.印象剤での歯型採取が不要
従来の歯型取りは、専用トレイに盛った印象剤を口に入れ、歯に押し当てて印象剤が固まるまで数分間待ってから取り外すというものでした。印象剤が硬化するまでの間、患者さんは口を開けたままの状態でいなければならないため、嘔吐反射がある方、口を開けにくい方にとっては苦痛でした。
iTeroは3D光学スキャナを照射するだけで精度の高い歯型データを記録できますので、矯正歯科治療での歯型取りの仕方が劇的に変わりました。

4.精密で正確な型どりができる
従来の印象材を使っての型取りは、印象材が変形したり、石膏を硬化させる際に変形したり、石膏に気泡が入ったり、歯型を正確に作るためにはコツが要りました。iTeroはスキャンしたデータがそのまま歯型となります。そのため矯正治療に必要な情報をデータから全て得ることが出来、精密に歯の形を再現することができます。
インビザラインではマウスピースを交換しながら歯を動かしていきますが、このマウスピース製作にあたり、iTeroで撮影されたデジタルデータを三次元ソフトに読み込ませてシミュレーションします。そのため、歯型の情報を正確にデータ化する必要があります。

5.歯並びのシミュレーションをスマホで確認できる
歯型データをもとにクリンチェックという治療計画を作成します。患者さんはウェブサイトにログインすることでそのデータをスマホからいつでも見れるようになります。

6.クリンチェックで最適な治療計画をご提案
患者さんの現在の歯並びから理想的な歯並びになるまでの道筋を、クリンチェックの画面で歯を動かしながらシミュレーションし、何通りもの案の中から最適なものを選びます。
歯を効果的に動かすために取り付けるアタッチメントの形や厚み、位置が細かく設定できるようにクリンチェックが改良され、歯を移動させる距離や歯軸の傾き、噛み合わせ等をシミュレーションできますので、より具体的にドクターの希望に沿った治療計画が実現できるようになりました。

7.歯型データを送るだけなのですぐにアライナーを作製できる
従来の印象の場合は歯型をアライン・テクノロジー社へ輸送し、そこからコスタリカへ輸送する手間がありました。
コスタリカで工業用CTにスキャンし、インビザラインのクリンチェック作製まで約2週間かかっていました。そのため患者様の手元にアライナーが到着するのは約4週間~6週間と、かなり先になってしまっていました。
ところが、iTeroではスキャンした口腔内データを直接コスタリカへデータを送信しますので、輸送にかかる日数が短縮されます。
また、シミュレーション(クリンチェック作成)も従来の印象に比べ、採得の3日以内に医師の手元に届くため、製作も早く、患者様の手元にアライナーが提供されるまで3週間~4週間となります。患者さんは矯正を一刻も早く始められたい方が殆どですので、アライナーが早くお手元に届くことは大きなメリットとなります。

8.CTなどで被ばくをするがiTeroでは心配なし
CTなど医療器具においてわずかな被ばくをするのは、皆様周知の事実かと思います。iTeroから放出される光は、CTやレントゲンのような放射線ではありませんので、安全で体には害がありません。
勿論、スキャンの器具の先端部は使用の度に交換しますので、衛生面でも安心です。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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