COCOブログ

2025.06.27更新

MFT(口腔筋機能療法)は何歳から始めるのがいい?

「指しゃぶりは何歳まで様子を見てもいい?」「舌を出す癖があるけど改善するべき?」など、お子さまの癖にお悩みの方もいるのではないでしょうか。将来に悪影響を及ぼすかもしれないと思いながらも、まだ幼いからと家庭内で様子を見ていませんか。
指しゃぶりや、舌を前歯の間から出す、頬杖をつく、口呼吸などの幼少期の癖は、将来の歯並びや噛み合わせに大きな影響を与えます。口周りの悪い癖を改善するために行う治療が、MFT(口腔機能療法)です。
今回は、MFTの内容や、口周りの癖を放置するリスク、何歳から始めると効果的なのかなどを解説します。お子さまの指しゃぶりが長期的に続いているなど、口周りの癖が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFT(口腔機能療法)とは、舌や頬、唇などの筋肉をトレーニングすることで、歯並びや噛み合わせに影響を与える口周りの筋肉のバランスを整える治療です。MFTは、歯並びや噛み合わせに影響を与える原因を取り除くことを目的に発展してきました。
しかし現在、日本歯科医学会の「小児の口腔機能発達評価マニュアル」に以下の記載があります。
咀嚼時の舌運動不全がある場合は、MFT(口腔筋機能訓練 )を行う
 
飲み込みに問題がある場合や構音障害がある場合など、お口の機能の発達不全に対してもMFTが行われるようになったのです。MFTを行うことで、生活の質や健康状態の向上にも役に立つとされています。
MFTは、大きく3つに分けられます。
・筋肉の訓練
・咀嚼や嚥下、発音、呼吸の訓練
・正しい姿勢にする訓練
 
筋肉の訓練では、舌や唇、頬の筋肉などを鍛える訓練を行うのが一般的です。トレーニング方法はいくつかありますが、お子さまに適した方法を選択して行います。
咀嚼や嚥下、発音、呼吸を正しく行えていないと、口周りの筋肉のバランスが乱れやすいです。そのため、正しい方法で行えるようにトレーニングします。
また、正しい姿勢は歯並びに大きな影響を与えるでしょう。正しい姿勢がわからない状態でトレーニングを行っても、筋肉のバランスの不調和は改善されません。
鼻呼吸をしていること、口周りの筋肉がリラックスして唇が自然に閉じていること、舌が上顎に接していること、上下の歯がわずかに離れていることが、正しい姿勢の条件です。正しい姿勢を保てるように訓練します。

MFTの重要性
お子さまの歯並びを心配する保護者の方は多いです。歯並びが乱れる大きな要因は、幼少期の口周りの悪い癖や生活習慣が挙げられます。
お子さまの歯並びは、矯正すれば改善されると思っている方も多いでしょう。
しかし、歯並びに悪影響を与える癖が改善されていなければ、治療終了後に後戻りする可能性が高いです。MFTを行って口周りの悪い癖を改善し、癖によって乱れた口周りの筋肉のバランスを改善する必要があるでしょう。
歯並びだけでなく、咀嚼(食べ物を噛み砕くこと)に問題があるお子さまや、嚥下(食べ物を飲み込むこと)に問題があるお子さま、構音障害があるお子さまの治療にも積極的に用いられています。

MFT(口腔筋機能療法)はどのようなこども向けのトレーニング?
MFTがどのような治療なのかご説明しましたが、ご自身のお子さまに必要な治療なのか疑問に思う方もいるでしょう。
MFTを受けるべきこどもの特徴は、以下のとおりです。
・指しゃぶりをやめられない
・前歯の間から舌を出す癖がある
・頬杖をつく
・鼻呼吸が可能なのに口呼吸をする
・爪や唇を噛む癖がある
・舌をうまく動かせない
・発音がうまくできていない
 
幼少期の指しゃぶりは問題ありません。生後3か月前後で遊びとして指しゃぶりを始めるこどもが多いですが、成長の過程で必要な行動ともいえます。手を口から離すなど、無理にやめさせる必要はありません。
1〜2歳頃になると活発に遊ぶようになるので、日中に行うことは減るでしょう。眠いときなどに行うこどもは多いです。
3歳頃から自然と消失し、5歳前後で完全になくなる場合が多いでしょう。6歳頃になっても指しゃぶりをやめられない場合は、改善する必要があります。
上記のようなはっきりとした癖がなくても、MFTを受けたほうがよい場合があります。食事が極端に早い・遅い場合や、飲み物で無理やり食べ物を流し込んでいる場合、口が常に開いている場合などは、MFTを検討したほうがよいかもしれません。
口周りの筋肉のバランスが乱れていると、サ行やタ行の発音が不明瞭になることも多いです。お子さまの様子や発音を観察し、気になることがあれば歯科医院を受診しましょう。

こどもの口周りの癖を放置するリスク
こどもの口周りの癖を放置すると、歯並びや全身の健康に悪影響を及ぼします。
癖が与える影響は、以下のとおりです。
前歯の間から舌を出す癖
奥歯を噛んだときに上下の前歯にすき間が生じる開咬や、出っ歯を引き起こします。
口呼吸
口呼吸は、下顎の成長を妨げます。下顎が後退し、口元が突出した顔貌になる可能性があるでしょう。歯並びでは、出っ歯や開咬につながります。
空気が鼻のフィルターを通らないので、ウイルスなどが体内に入りやすいです。風邪を引きやすくなるでしょう。常に口が開いているので口腔内が乾燥し、口臭が強くなることもあります。
口呼吸は鼻呼吸より浅いため、脳へ酸素が送られにくくなるでしょう。集中力の低下・欠如につながり、学習能力・運動能力が低下する可能性もあります。
唇を噛む・吸う癖
下唇の場合は出っ歯になりやすく、上唇の場合は受け口になりやすいです。
指しゃぶり
開咬になる可能性が高いでしょう。将来的に、前歯で食べ物を噛み切れない、発音が不明瞭になるなどを引き起こすことがあります。
頬杖をつく癖
顎に大きな力が持続的に加わるため、顎のバランスが悪くなって歪みます。顔のバランスが悪くなる場合や、歯並びが悪くなる場合があるでしょう。
顎関節症を発症する可能性もあります。

MFT(口腔筋機能療法)は何歳から始めるのがいい?
MFTを開始する適切な年齢は、5~10歳とされています。治療の際の指示を理解でき、実行できる年齢から始めることが望ましいでしょう。永久歯への生え変わりが終わるまでに訓練を終えられることが理想です。
小学校高学年や中学生から始めると、トレーニングが複雑化して修正が難しくなります。口周りの悪い癖や悪い姿勢が定着していると、改善するには時間がかかるでしょう。
歯をきれいに並べることだけを目標とするのではなく、口周りの筋肉を本来あるべき状態に戻すことを目指してください。永久歯に生え変わってから矯正治療を受ける場合も、後戻りしにくくなります。

投稿者: COCO DENTAL CLINIC

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